新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

造血幹細胞の可塑性:様々な可能性が出てきて良いことだと思います

2012-06-04 19:16:13 | 医療

月曜日分としてこちらの記事を紹介します

 

骨髄細胞移植で「排尿障害」改善 信大チーム成功06月02日(土)

http://www.shinmai.co.jp/news/20120602/KT120601FTI090012000.html

 子宮がんや前立腺がんで放射線治療を受けた患者のうち、約2割で発生する「排尿障害」に関し、体のさまざまな細胞に分化する能力を持つ「骨髄細胞」を膀胱(ぼうこう)に移植して改善させることに、松本市の信大医学部の研究チームが、動物実験で成功した。同チームによると、排尿障害にはこれまで、有効な治療法がなかった。骨髄細胞による再生が臨床応用されれば、患者の生活の質(QOL)の向上につながりそうだ。

 成功したのは下部尿路医学講座の今村哲也助教(37)、泌尿器科学講座の西沢理(おさむ)教授(63)らの研究チーム。

 子宮や前立腺、膀胱など、骨盤の中にある臓器のがんで放射線治療を受けると、放射線の影響で膀胱の筋肉の細胞「平滑筋細胞」や神経が壊れ、タンパク質の一種のコラーゲン繊維が増えて硬くなり、尿が出にくくなったり、尿意を感じにくくなったりする。悪化すると、自分で尿道から管を入れて尿を出す「自己導尿」などの対症療法しかなかった。

 今村助教らは、ラットの膀胱に放射線治療時に使われるのとほぼ同じ強さの放射線を週1回、5週間当てて排尿障害を起こし、その膀胱に別のラットから採取した骨髄細胞を移植した。4週間後に調べたところ、壊れて減っていた平滑筋細胞や神経が再生した。

 排尿障害のラットは排尿の間隔がバラバラになり、残尿も多かったが、骨髄細胞を移植すると間隔が一定になり、残尿もほとんどなくなった。「神経が再生したことで尿がたまったことが脳にきちんと伝わるのでは」と今村助教。

 今後はより大型の動物で実験するなどして、安全性や治療効果を高める計画。今村助教は「放射線治療でがんが縮小したからいい、では済まされない。他の臓器のがん治療で起きる障害にも応用できるはずだ」と話している

 研究成果は再生医療の国際専門誌「ティッシュ・エンジニアリング(電子版)」に発表した。今村助教らは、膀胱から尿が漏れるのを防ぐ働きをする「尿道括約(かつやく)筋」の骨髄細胞を使った再生にも昨年成功している。

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造血幹細胞による改善の可能性がしめされたことはよいことだと思う。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

 

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