新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

病院ではどうなの?:死亡前のお迎え経験

2012-06-23 08:56:08 | Weblog

さて、もう一つ面白い記事を見つけました。

 

こちらです。

 自宅でみとられた患者の約4割が、亡くなる前、すでにいない親の姿を見たと語るなど、いわゆる「お迎え」体験を持ち、それが穏やかなみとりにつながっているとの調査研究を、宮城県などで在宅医療を行っている医師らのグループがまとめた。

 在宅診療を行う医師や大学研究者らが2011年、宮城県5か所と福島県1か所の診療所による訪問診療などで家族をみとった遺族1191人にアンケートした。

 「患者が、他人には見えない人の存在や風景について語った。あるいは、見えている、聞こえている、感じているようだった」かを尋ねた。回答者541人のうち、226人(42%)が「経験した」と答えた。

 患者が見聞きしたと語った内容は、親など「すでに死去していた人物」(51%)が最も多かった。その場にいないはずの人や仏、光などの答えもあった。

 「お迎え」を体験した後、患者は死に対する不安が和らぐように見える場合が多く、本人にとって「良かった」との肯定的評価が47%と、否定的評価19%を上回った

 調査は、文部科学省の研究助成金を得て実施。「お迎え」体験は経験的にはよく語られるが、学術的な報告はきわめて珍しい。

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正直、お迎え経験はあってもなくてもよいですが、それが患者さんの安らぎにつながるのであれば何よりです。

 

僕はできたら患者さんが亡くなられるまでにご家族などとぎりぎりまで話ができるようにしたいと思っています。もちろん、苦しさがないように・・・。苦しさとモルヒネなどの量がトントンになるように微調整しながら。

さて、ここでは自宅で看取られた…と書かれています。自宅での看取りを推進することにつなげようとしているのかはわかりませんが、病院での死亡時はどうなのかと聞きたいですね

 

別に亡くなった方や仏様が同じ場所で亡くなったわけではない(同じ人もいるとは思いますが)ので、亡くなる場所が関与するのかどうか…ということです病院で亡くなっても同じように「お迎え体験」をするのか、しないのか

もっと言うなら・・・病院で亡くなっても、自宅で亡くなっても安らぎは変わらないのか、それとも変わるのか

病院で亡くなった場合と自宅で亡くなった場合にPain controlなどの医学的対応に対する満足度はどの程度違うか(病院の方が対応がいいのは当たり前なので)。

 

そんなことを知りたいですね。

これは客観的情報ではなくて、主観的(患者さんや家族の)情報なので同様の調査で出ると思いますし。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

 

 

 

 

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衛生委員会設置せず:衛生問題って、時折無視されることがありますよね

2012-06-23 08:23:42 | 医療

おはようございます。

 

昨日の飲み会はすごかった…。というか、一番飲んでいたのはお前だろう…・という感じです。まぁ、北海道人は飲める人が多いということでしょうかw

 

いろいろな部署の人が来ていたので、ほとんどの人が初めて一緒に飲んだという状況。そんな中

「先生って・・・意外と飲むんですね」

「飲み会は好きなんですよ。家では飲みませんが、こういうときはすごく飲みます」

「なるほど・・・」

 

と、僕の飲みっぷり(しかもこの年になって体育会系のノリ・・・。お酌をしに来たらグラスを開ける・・・。)に驚いていたみなさんでした(全然、褒められたものではないですけど)

 

さて、今日はまずこちらの記事を紹介します。

 大阪市内の印刷会社で従業員らに胆管がんが多発している問題で、労働者の意見を反映して職業性疾病を予防する「衛生委員会」などを同社が設置していないことが22日分かった。労働安全衛生法で設置が義務付けられており、厚生労働省は違法として先月30日に是正勧告した。同社では10年以上前から複数の従業員が、社内で使われていた有機溶剤が体調悪化の原因と疑い、換気の改善も訴えており、衛生委員会が設置されていれば、発症を早期に把握できていた可能性がある。

 労働安全衛生法によると、業種を問わず、労働者が50人以上の事業所は、健康に異常のある人の発見や措置、病気による死亡を調べて記録などをする「衛生管理者」を置く義務がある。さらに、労使一緒に健康障害を防止するため、「衛生委員会」を設置し、月1回開催して職場環境の維持・向上に努めなければならない

 問題の印刷会社は従業員が50人以上おり、衛生管理者や衛生委員会を設置しなければならない。厚労省によると、同社は衛生管理者も設置していなかった。同社の勤務経験者によると、90年代、体調を崩した従業員が「有機溶剤が原因ではないか」と会社側に訴えたが、否定され、叱責を受けた。職場は有機溶剤特有のにおいが漂い、吐き気などを訴える従業員がいた。別の関係者によると、別の従業員が上司らに換気の改善を2回求めたが、反映されなかった。「職場環境の改善が見込めない」として退職する人もいたという。厚労省もこうした証言を把握している模様だ。

 同社では10人が胆管がんを発症し、うち2人は在職中に死亡した。問題は今年3月末、遺族らが労災申請したことで発覚した。大阪労働局は一般論と断った上で「衛生委員会があれば、在職死亡は当然、報告され、議題になる」と説明している。

 印刷会社の代理人の弁護士は、換気改善の訴えがあったことについて「事実か確認できていない」と話した。【大島秀利】

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この話題はもう繰り返しになっておりますので、胆管癌の疫学問題に関しては過去記事でちょっと書きました。

校正印刷会社の胆管癌発生問題:疫学解明のためにもきちんと調べてほしい

胆管癌に関する印刷会社調査:まずは結果を確認しましょう

 

因果関係が証明されれば(疫学的、動物実験的に)、訴訟に印刷会社が勝てるとは思えないのですが・・・。

 

それはさておき衛生委員会は「総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者等」「衛生管理者」「産業医」「労働者(衛生に関する経験を有する者)」で構成され、以下のような問題を議論します。

1 衛生に関する規程の作成に関すること。
2 衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること。
3 衛生教育の実施計画の作成に関すること。
4 定期健康診断等の結果に対する対策の樹立に関すること。
5 長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること。
6 労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること。

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/0902-2a.pdf

 

精神的健康の保持増進などは最たるものだと思いますが、職場の健康状態に関して「目的」最優先で、健康状態そっちのけというところが多いのかもしれませんね。調べていったら、意外と衛生委員会設置せず…という会社は多いのではないかと思ったりします。

いろいろな職場で衛生問題が重視されるきっかけになるといいですね(うちの職場もそうですが、まだ僕がいますしね)

 

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