新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

茨城県医学部新設へ:早大も目的達成間近

2012-06-16 20:34:33 | 医療

こんばんは

 

いまさらですが、旅行会社に行こう、行こうと思っていたら…行き損ねました。明日は行かないと…(汗

 

さて、話は変わりますが無事に移植まで終わりましたね。もちろん、移植が終わってもその後もいろいろあるのですが、ぜひとも移植術を受けた方は目いっぱい生きてほしいですよね。2人分の人生を生き抜いてほしいです。

 

さて、少し記事の紹介です。

 県内の医師不足を解消するため、県が早稲田大の新設医学部を誘致している問題で、県議会は15日、誘致に関する決議を賛成多数で可決した。可決後、磯崎久喜雄議長らが橋本昌知事に誘致を求める要請を行った。
 決議書は、早大新設医学部を県畜産試験場跡地(笠間市、約35ヘクタール)に誘致するよう求めている。誘致により「先進・高度医療や研究機関としての拠点が形成され、近隣の県立中央病院などの医療機関との連携と相まって、本県の医師確保、医療体制の充実や水準向上に極めて有効」としている。
 桜井富夫県議(自民)は要請で「県内の医師不足はデッドラインに来ている。議会としてもバックアップしていきたい」と訴えた。橋本知事は「医師不足を解消したいが、なかなか進んでいない。タイミングを逃さないできちんと対応していきたい」と応じた。【鈴木敬子】

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いよいよ茨城で医学部新設につながるのでしょうか。

先の6歳以下の方からの移植も初めてということでしたが、前例ができれば物事が進み始めるということはよくあると思います。

 

早大も昔から医学部新設の話はありましたしね。もともとは埼玉という話だった気がしましたが、埼玉は県が動かなかったということでしょうか。ダントツで人口当たりの医師数が少ないのですが。

 

いずれにせよ、今後どうなっていくのか注目していたいと思います。

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検査結果を見ないなら検査をするべきではない:肺癌見逃し問題

2012-06-16 12:08:07 | 医療

さて、追加です

 

 

 香川県立中央病院(高松市)で14日、肺がん発見の機会を2度も見過ごすというずさんな診療経緯が明らかになった。

 胸部のエックス線写真やコンピューター断層撮影法(CT)検査の結果確認を2人の担当医が怠る単純なミスが重なり、50歳代の女性が死亡。病院側は遺族が問い合わせるまで、こうした経緯を説明しておらず、県庁で記者会見した松本祐蔵院長らは苦しい弁明に追われた。

 記者会見には、松本院長と、山地耕太郎事務局長が出席。「重大な医療事故だった」とミスを認めて陳謝し、経緯を説明した。

 松本院長らによると、エックス線撮影は女性の腕の骨折治療を担当した整形外科医が、CT検査は治療済みの子宮頸がんの経過観察として、産婦人科医が実施を決めた。いずれも肺に異常な影が写っており、電子カルテで簡単に閲覧できたが、2人とも一度も目を通していなかった

 理由について、整形外科医は「(心機能の事前チェックが必要な)全身麻酔での手術を予定していたが、結果的に部分麻酔で行ったため、画像を見なかった」と説明。産婦人科医は「検査を行ったことを忘れていた」と話したという。

 CT検査で肺の影に気付き、報告書に記載した放射線科の医師も、産婦人科医に直接知らせておらず、松本院長は「病院全体のチェック体制に問題があった」との認識を示した。

 この報告書は、2009年6月に女性が肺がんと診断された直後に見つかり、その1か月後には、医療ミスとして松本院長にも報告されていた。しかし、病院側は女性側に伝えず、10年10月に亡くなった後も、遺族の問い合わせを受けるまで知らせていなかった

 報道陣から「問い合わせがなければ、隠していたのか」とただされた松本院長は「当初は『患者の負担になる』と判断した。その後、院内での協議が続いて遺族に十分な対応ができなかったが、隠し通すつもりはなかった」と釈明した。

 再発防止策として、同病院は、検査結果が閲覧されない場合、電子カルテを見る画面上に警告が出るようシステムを変更。しかし、ほかに放置されている検査結果がないかどうかは「データが膨大で、すべてはチェックできていない」としている。(小野隆明)

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研修医の先生にもよく言う話ですが「検査結果を見ないのであれば、検査するんじゃない

 

ただ、手術前のルーチン検査で胸部単純写真を撮ることはあります。僕が研修医の時も整形外科の入院患者でしたが、内科に緊急転科するような疾患が見つかったことがあります。あの時は身体所見が先でしたけどね・・・。おぃおぃ…と思って、胸部単純写真を見たらえらいことになっていたという。

あとは胸部単純写真に写っていた胆石というのもあったな~

 

僕も研修医の時に上の医師よりも早く検査結果を確認しているかが勝負…と思っていましたが、後輩たちにも「検査結果を見ないなら、検査をするん。検査をする意味は必ずある。その検査で何かを求めているのだから、検査結果は気になるはずだ。それが気にならないというならば検査をする必要もない」と言っています。

 

医師として研修医の時に学ぶことを学んでいないのか・・・本当に忙しすぎて失念していたのか・・・。いずれにせよ検査結果を確認しないというのはやってはいけないことです。

 

けど、見ようとしていなければ見えないというのもあるしなぁ・・・。婦人科系腫瘍の経過観察目的で腹部のCTだけ見たけど、腹部に転移がないから胸部は見なかったという可能性も・・・

 

僕も前書きましたが「悪性リンパ腫(CS4で胸水貯留が早くて治療しなかったら死んでしまう状況)」の患者さんのCTで写っていた微妙な陰影。抗癌剤治療後にも変化がなかったので気になって調べたら肺癌だったということもありますし・・・(要するにその時にどう評価するか。リンパ腫ならともかく治療するからいいのですが、婦人科系腫瘍の転移と判断されていたらどういう風に進められたのか・・・。経過観察だったのか。まぁ、普通は検査するか

 

まぁ、いずれにせよ患者さんの不利益につながってしまった以上は、今後このようなことがないようなシステムの構築(最近の電子カルテは大体検査結果や読影結果がメッセージで飛んできますけど)が必要ですよね。

 

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医師の集約化は必要だろう

2012-06-16 12:05:28 | 医療

おはようございます

 

今日は久しぶりにゆっくりできる予定です。とはいえ、結婚式の準備は少しずつやらなくてはいけないのですが・・・。

 

二次会の幹事、誰に頼もうか・・・?

 

さて、いくつか思うところがあるのですがまずはこちらの記事を紹介します。

 

 

 【話の肖像画】日本一幸せな会社 未来工業創業者・山田昭男

 相変わらず先行きが見えない日本経済。その中で極めてユニークなやり方で業績を上げている岐阜県の中堅企業がある。営業のノルマ、残業は一切禁止、定年は70歳、年間の休暇は有給休暇を除いても140日。しかも全員が正社員…。人呼んで、日本一「社員」が幸せな会社!(文・喜多由浩)

 --メディアでも話題になった、社員旅行でクイズ50問に正解すると「半年間の有給休暇」というのには驚きました

 山田 ウチは毎年、全員参加の社員旅行をやっており5年に1度は海外へ行く。昨年はエジプトに行く予定で、旅行委員の社員が考えたのが「クイズで有給休暇」の企画だった。ウチはもともと有給休暇を使えば半年休めるから、正解すれば「丸々1年間休める」と話題になったわけだよ。結局、エジプトの政情不安で旅行自体が中止になったので、費用1億円は東日本大震災の被災地に寄付させてもらいました。

 --65歳の平社員の平均年収が約700万円とか、育児休暇3年(何度でも)とか、気前がいいですね

 山田 社長の仕事というのはね、社員を幸せにして、「この会社のためにがんばろう」と思ってもらえるような『餅(インセンティブ)』を与えること。社員がヤル気を出して会社が儲(もう)かれば、分け前をまた『餅』にする。それだけだよ。バブル崩壊後、多くの会社が、正社員を派遣社員やアルバイトに切り替えてコストを下げようとしたでしょ。だけど、それで会社が儲かるようになったのか、って聞きたいですよ。人間(社員)を「コスト扱い」するな、ってね。

 --ノルマや上司への「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)」も禁止。支社や営業所も社員が勝手に作ったとか

 山田 現場のことは、現場の社員が一番よく知っているからね。支社や営業所も「必要だ」と思ったから作ったんでしょ。私は名刺を作る度に(裏に書かれた支社・営業所を見て)「また増えとるなぁ」と思うぐらい(笑い)。社長なんてバカだと自覚しなきゃいけないんだよ。陣頭指揮などもってのほか。どう『餅』を与えるか、っていう大きな「戦略」を考えるだけでいい「戦術」は社員に任せるのがいいんです

 --社員に任せすぎて失敗したことは

 山田 「報告は禁止」だから知りませんねぇ(苦笑)。でもね、休日が多く、労働時間も短い、上司への報告も禁止…となると、人間はむしろ、いいかげんなことができない。その中で成果を上げようと必死で工夫してがんばるもんですよ。これは日本人だからできること。儒教精神が残っているし、農耕民族だからね。狩猟民族は獲物がなければヨソへ行くけど、農耕民族は苦しくても、土地にしがみついてがんばるしかない。『餅』を貰(もら)った以上、そこ(会社)で懸命に働こうと思うんだよ。

 --儲けるにはヨソと違うことをやれ、差別化を図れ、とも

 山田 差別化を図るには、常に考える習慣をつけること。新製品や仕事の効率化について考え続けることが大事なんだ。そのためにウチには「改善提案制度」がある。これはどんな提案でも、封を切る前に中身を見ないで500円支給。いい提案なら最高3万円。これも『餅』になります。

 --講演やセミナーに引っ張りだこだそうですね

 山田 ウチの会社の話をすると、たいていの経営者が「山田さんだからできるんです」とか、「怖くてできません」という。つまり、やりもしないで尻込みしているんだ。儲かっているならいいよ。でも日本の会社の97%が経常利益を4千万円も上げられない時代。“儲かってもいない会社”がヨソと同じことをしててどうするの?ということ。差別化すれば、中小企業だって大企業に勝てるんだよ

 【プロフィル】山田昭男(やまだ・あきお) 昭和6年、中国・上海生まれ。80歳。旧制大垣中卒。演劇に熱中し、劇団「未来座」を主宰。40年、劇団仲間と建築電気業の「未来工業」(本社・岐阜県大垣市)を創設、社長に就任した(現在は取締役相談役)。同社は平成3年、名証2部上場。現在の社員約800人、売上高200億円超。創業以来、赤字なし。平成元年、黄綬褒章受章。新著に『日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”』(ぱる出版)。

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病院は儲けを考えるべきではないのでしょうけど、同じような病院がいくつもあっても「競合」してしまって、全体でつぶれていっているのではないかと

 

今までも書いてきましたが、僕は地域で「得意な診療科を持つ病院」が複数集まって、病院群を形成するのが良いのではないかと思っています。そうすることでコスト(消耗品)は下がると思うし、医師も診療科ごとに集約化できる。そして総合医を中心に据える国の方針のようだから、ある程度の範囲は病院総合医が担当する。

それでよいのではないかと・・・。

 

病院ごとは差別化(地域で)する。それでないと生き残れないような気がします。医師も集約化してしまえば、休みなども取りやすくなるでしょう。

 

ちなみに一人の患者さんを二人ぐらいの医師が診ていないと引継ぎが大変になるでしょうね。100のことを引き継いでも正確に伝わるのは30~40と言われているのを見ました。そうすると運が悪いと急変時の対応に失敗するかもしれないわけですね。

 

例えば白血病の患者で腎臓が微妙に悪い患者さん(Cr 1.8mg/dl位にしましょう)で、現在の治療状況などはきちんとひきつがれていたとします。しかし、本当に運悪くショック状態になって…というようなバタバタとしている時に腎機能が悪いことを失念して指示を出すかもしれない…とかですね。

そのくらいの医師の密度があればチーム医療が可能になると思いますし、それにより一人一人の医師も休むことができるだろう・・・と。たとえ急性期病院でもですね。

 

僕が大学時代にほとんど休みなく病院にいて、病院から離れても半径1~2kmのすぐ駆けつけられる範囲内でしか出歩かなかった(アパートも病院に近いというだけで借りた)のは、医師数が少ないから引継ぎにも限界があると思っていたから。自分の担当患者さんのことを最も分かっているのは自分であり、もしかすると駆けつけざるを得ないような事態になるかもしれないと思っていたから。

 

チーム医療と言っても例えば3人で30人の白血病患者を診るというのはかなりきついです。2人で10人の白血病患者を診るなら余裕があるでしょうけど。その余裕がある状態を作り出せたらベターでしょうね。急性期病院でも余裕を持った医療ができそうな気がします。

 

医師が患者さんのために頑張ろうと思うのは当たり前ですが、この病院をつぶしたくないから頑張ろうという気持ちになればさらに良いですよね。そんな病院がたくさんあれば、最終的に患者さんにも貢献できると思います。

 

医師の集約化はそういった意味でも必要だと思いますが、それによるアクセスの制限に対して交通網をどう整備するかが問題になると思いますが、巡回バスやドクターヘリなどを整備しなくてはいけないのでしょうね。ヘリパイロットも団塊の世代の退職に伴い減少中という記事をどこかで見ました。パイロット養成には時間がかかる(このサイトだと事業用は3年http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1217)し、ドクターヘリはもっとかかるような気がした。長期的な計画になるのでしょうが・・・。

 

必要な運用費用に関しても「全国50ヶ所にドクターヘリを配備した場合の必要な年間費用(約100億円)は、現在全国で運用されている救急車搬送にかかる費用(約5,600億円)のわずか1.8%(http://www.sonpo.or.jp/archive/publish/bousai/jiho/pdf/no_233/yj23314.pdf)」とされており、医師を集約化した後のPlanも対応可能ではないかとも思う。

ただ、意外と制約受けるのは天候だろう。ちょっとした風雨で意外と飛べなくなる(これは自衛隊のヘリでも同じ)。

 

まぁ、いくつかの問題点はあるがこの記事を見ながら、差別化を図るなら「病院ごとの特徴」をいかにして出すか・・・であり、そのために得意な診療科を病院ごとに決めるのはありではないかと思う。それに伴い医師も集約化するので休暇なども取りやすくなるのではないだろうか

そんなことを思いながらこの記事を読んでおりました。

 

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