玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

33)イスラム船員の日常

2006年05月23日 | ピースボート世界一周

Peace_boat_109

 トパーズ号ではブルガリアやアジア周辺国などの従業員が多く、イスラム教徒も多数いた。我々がイスラム圏に属するエジプト入りする頃は丁度ラマダンの時期にあったっていた。そこで世界3大宗教であるイスラム教について、ダイニングルームで働いているインドネシア出身の男女2人に生の声を聞かせてもらうプログラムが出来ており参加した。

Peace_boat_142

 その場に参加した男女はいつもにこやかに私たちにサーブをしてくれている2人だった。船内の仕事をしながら、イスラム教徒として1日5回(10、昼過ぎ、15、日没、20時頃)のお祈りをしている。先ず手を洗い、敷物を敷き、イスラム教徒の被り付きの服で体と髪を覆い、メッカの方向へ向いてコーランを唱えながら額づく。イスラム教徒の最終的な夢はメッカ巡礼だと言った。仕事と5回に及ぶ祈り。賃金が気になるところだが、その分は差し引かれると笑顔で答えていた。

Peace_boat_215

 イスラム教徒と聞くと私の中で緊張感に似たものが走るのだが、それは何故だろう?マスコミでマイナスイメージとして発信され過ぎてはいまいか?彼らの仕事や話しぶりを見れば直ぐ解る事だが、とても温和であり、相手に親愛の情すら感じさせる。イスラム教の説明や応答も礼儀正しく論理的であった。

Peace_boat_227

 温和な彼らが何らかの抑圧〈政治的、経済的、社会的、文化的)を受けた際、教義に立ち返って反逆する事がある。その際たるものが日本の「特攻隊」とも類似する「自爆」だが、政治や宗教の混沌、そして極端な「自爆」をnewsとして聞かされている私達は、暗黙のうちにイスラム全体をコ・ワ・イものとして捉えていたのではないか?と思える。次回はいよいよラマダンの報告。夕刻ポートサイト入港。夜の街を散策。果物屋の店先で少年と。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする