鈴木安蔵の経歴を写すと1904年福島県にて出生。京大哲学科に進むが社会の矛盾を正すには経済学が必要と転科。’26年治安維持法違反代1号として検挙され大学を自主退学。以後憲法学と政治学を研究し民衆の立場に立った憲法学を確立。’37年衆議院憲政史編纂委員を初め憲法草案要綱の起草、憲法の普及に努める。 ’52年から静大、愛知大、立正大教授を歴任。’62年日本民主法律家協会憲法委員会委員長。’83年79才で逝去した。
ドキュメンタリーは硬苦しい。多くの人に見てもらうために「劇映画の手法」がとられた。従って笑い涙も織り込んであり、対社会、夫婦、親子の情景も描いている。老境の岩蔵のポートレートを見ると若い頃はソウであったろうと思えるほどに高橋和也は岩蔵を好演していた。その風貌は信念を貫いて年を重ねた清々しさも又示している。
大沢監督は「九条の会発足式」に参加して老いてなおアピールしている人の姿に魂を揺さぶられ、10年振りの反戦映画は若者も引き込める脚本作りから始めた。改憲阻止の為には少なくとも2~300万人に見て欲しい。その為ならドンナ行脚も厭わないと話している。