子供たちが幼かったころに、祖父母が贈ってくれたピアノがある。親はピアノが弾けず、二人の子供は屋外で体を動かしている方が好きな性分だったので、ピアノのレッスンに通ったのは小学校の低学年までだった。
ピアノは2階の部屋に鎮座して、弾かれることもなく数えきれないほどの年月が経過してしまった。贈り物だったことで、処分を躊躇したのかもしれない。このような運命のピアノは全国的にも数多くあると思われる。
我が家の断捨離作業が最終局面を迎えて、ついにピアノを処分することになった。買取ビジネスは最近とくに盛況のようだ。ピアノ買取サイトに問い合わせてみた。「大変申し訳ないのですが、お客様のピアノは弊社では買い取り対象外の機種となっております。お引き取りさせていただく場合は、引き取り作業費をご負担して頂くかたちになります」
その引き取り作業費というのが、業者によってかなりのバラツキがあることを知って驚いた。解体して運び出すしかないというピアノ専門でない業者もいた。1.5万と4.4万という二つのビアノ専門業者に出会い、さっさと前者に決めてピアノは搬出された。