無性に、のどかな田舎道を歩きたくなった。あいにくの曇り空ではあったがひさしぶりに電車で遠出した。行先は前々から一度はお参りしたいと思っていた日の出町の「大仏さま」である。日の出町といえば日の出山荘、それにごみの最終処分場が思い浮かぶ。
日の出山荘は中曾根がレーガンを招いて、現在は日米首脳会談記念館となっている。ここにはゴルバチョフも訪れている。日の出町は多摩地区25市1町のごみの最終処分を引き受ける。谷戸沢はすでに埋め立てが終了しビオトープ、貯水池、サッカー場などが整備されている。同じ日の出町の二ッ塚処分場もいずれ限界を迎える。
1995年に秋川市と五日市町が合併してあきる野市が誕生した。五日市線の武蔵引田駅はあきる野市にある。駅の南が、あきる野市の「引田」で駅のすぐ北は、日の出町の「平井」だった。その平井の宝光寺に2018年に完成したのが「鹿野(ろくや)大仏」だ。高さ12m、座仏としては鎌倉大仏をしのぐという。
寺の横の坂道を登り、駐車場から山の中腹を見上げると大仏さまの姿が見えた。大仏胎内を含む拝観料は300円。大仏さまの足元からの見晴らしがよい。この季節のこのお天気だから私たちのほかには大仏さまを訪れる人は見当たらず、ときおり墓参りの人の姿があるだけだ。武蔵引田駅の近くにある巨大なイオンモールに驚く。