風のささやき 俳句のblog

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大人なんて【詩】

2025年03月20日 | 

「大人なんて」

何故みんな、眠たげな顔をしているのだろう
大きなあくびの、回数を数えてみると、もう嫌になる
そうして涙の滲んだ眼をこすり
疲れて眠ることだけを
目的にして、一日を過ごしているようだ

何故に、僕のやることなすこと
そんなに気に食わないのだろう
僕に浴びせかける言葉、何を言おうとしているのか
あまりにも、煩い、騒音だ
好きな音楽の歌詞は
心の呼び鈴、けたたましく押して
アッという間に、入ってくるのに

僕の好きなものを、僕は好きと言うし
どうせ、それを分かってはもらえないし
僕がどれぐらい、それが好きなのか、気持ちが昂るのか
でも、直ぐに、そうではないと言うから
もう黙っている、話が通じない人たちとは
腹が立つだけだ、顔を見せないで欲しい

悪戯に僕の心をかき回しておいて
その後には、何もなかったかのように
薄ら笑いを、浮かべないで欲しい
暴力、暴力と、少し暴れれば言うけれど
暴力をふるっているのは自分たちのくせに
直ぐに、出て行けとか、何も分かっていないとか
勉強をしろとか、自分たちの気分で
言葉で暴力、続けているくせに

僕は、僕の心をなぞる
言葉だって、僕の一生懸命
それを、馬鹿にして、自分たちばかり
何でも知っているふりをして、でも
仕事をしているって、そんなにえらいこと
直ぐにイライラとして、八つ当たりをするくせに
長く生きているって、それだけで威張れるの

眠くなったのに、また勉強のこと言ってくる
もう嫌だ、あっちに行け
何も僕のこと、分かっていないくせに


二分咲きの桜が誘う坂道を一歩一歩と綿雲も呼ぶ【短歌】

2025年03月18日 | 短歌

遠目からでもそれと分かる
蕾がほころび始めた桜が
坂の上に見えました

急な勾配の坂なので
上ることは考えていなかったのですが

桜が誘っているように思えて
一期一会と坂を上ることにしました

風も心地よく用事もなかったので
一歩一歩、着実にゆっくりと上りました

疲れて来たところで
坂の上の白い綿雲が
力づけるように僕を呼びました


友の呼ぶチャイム待てぬか春一番【季語:春一番】

2025年03月15日 | 俳句:春 天文

その日は、春一番が吹きました
天気が良かったので
学校の友達と遊ぶ約束をした上の子供たち

三男も行きたいと言っていたのですが
邪魔するからと最初は拒絶
結局、最後は親に言われて一緒に行くことになったのですが

待ち合わせの時間の前から
少しそわそわとし始めた子供たち
そうして待ち合わせの前に
家を飛び出しました

友達が来るのを家の外で待っているとのこと

寒い時分は炬燵から出ようとしなかった子供たちですが
春は子供たちを活動的にするのでしょうね

楽しそうに出かけて行った
子供たちは夕方遅くまで遊んできました


笑い【詩】

2025年03月13日 | 

「笑い」

子供がテレビを見て、声を上げて笑っている
お菓子を食べていた手も止まった
よっぽど、面白かったのだろう
僕を誘いに来た、一緒に笑うことを期待してのこと

君はジュースで、僕はお茶にして
僕が座り、画面を眺めると、顔をちらちらと、盗み見る子供
僕が想像通りに笑うか、ちょっと気になってのこと

大丈夫、僕も笑うから
その人が面白ことは、きっと君よりも
僕の方がよく知っている
そうして、僕の笑いに、満足したように、笑いを重ねてくる

その人は僕にも、沢山の笑顔をくれた
苦虫をかみつぶした日の僕にも、その笑いは届いた
固く結ばれた、苦しい気持ちが緩んで
一瞬に、解けた、その日、心は軽くなり、眠れた

沢山の笑いをくれた人
あなたと一緒に失われた、その先の笑いがあって
それがとても残念だ

人の狭間にある笑い、僕もそんな笑いに含まれていると思うと
ちょっと安心をする、みんな、そんなに変わらない
可笑しなことを、しているかもと言う、気恥ずかしさを、抱えている

自分の一生懸命も、思い込みも、ずれたものと
思えれば、笑い、肩の力も抜けてくる
そんな自分に、親しみさえも、やがて覚えて
悲劇も、悲劇では続かせない
甘いキャンディーの包み紙のように
華やかな笑いで、包み込むことができれば

テレビの前で、心置きなく笑っている子供は
笑えることの、大切さを何時に感じるのだろう
その時にもあっけらかんと、笑っていられる、君でいて欲しい


丸い月独り舞台の空にいる まぶた閉じれば心もまんまる【短歌】

2025年03月11日 | 短歌

丸い月が出ていました
思わず目が合い、暫くは
雲の無い空を独り占めする
月を眺めていました

その優しい明るさは
まるでこの体に染み来るようで
目をつぶってもしばらくは
瞼の裏にその姿が映り

いつの間にか心にも
その丸い月の印象が
残ってどこか温かでした