暖かな日でした
その陽気に誘われたのか
心が軽くなったのか
一緒に歩いていた子供が
口笛を吹きました
もちろん下手な口笛で
時々空気が漏れるような音がします
それでも自分では
上手く吹けていると思っているのでしょう
調子に乗っていつまでも吹いて
しかも上手でしょうと聞いてきます
本人は真面目に吹いているのでしょうが
どこかおどけた調子のその口笛は
小春空にお似合いで
僕は確かに上手だなどと
おべっかを使いながら
その音色を楽しんでいました
暖かな日でした
その陽気に誘われたのか
心が軽くなったのか
一緒に歩いていた子供が
口笛を吹きました
もちろん下手な口笛で
時々空気が漏れるような音がします
それでも自分では
上手く吹けていると思っているのでしょう
調子に乗っていつまでも吹いて
しかも上手でしょうと聞いてきます
本人は真面目に吹いているのでしょうが
どこかおどけた調子のその口笛は
小春空にお似合いで
僕は確かに上手だなどと
おべっかを使いながら
その音色を楽しんでいました
大分早い時間に日が暮れて行きます
時計を見るとまだこんな時間なのにと
その空の暗さに驚かされたりします
先日もバスで帰ってくる時に
冬の夕暮れの暗い感じに
心が重く感じられました
空には濃い墨で一筆に描いたような
真っ直ぐで黒い雲の群れ
その色合いには体が凍え
身震いを一つ感じるほどでした
職場の側で工事が続いてます
大きなビルを建てるらしく
背の高いクレーン車やらが運び込まれて
見ていてもなかなか壮大な眺めです
その物音もつい最近までは
うるさい位に耳にまとわりついてきたのですが
寒くなって来てからは
どこか物静かで力なく聞こえます
今までの元気はどうしたんだと
ちょっとハッパをかけたいぐらいです
冬場の外での作業は身に沁みますものね
何となく気持ちも分かり
その重機の姿に合わせるように
僕も身を縮こまらせます
夜に自転車で走っていました
まだまだ風は冷たく
露出した顔の部分は
少しピリピリと感じる程でした
街灯も少ない暗い道を走っていたのですが
空には明るい満月がかかり
それが薄い柚子の色をしていて
空全体が薄黄色をして暖かな感じでした
冬の満月とは言え、1か月前の満月とは
随分違って見えるのだなと感心しながら
春の足音を確かに感じていました
空にかかったままの満月は
とても心強い道標のようでした
寒い夜のこと
その人と昼間に交わした会話を思い出していました
その人との時間を重ね
会話を重ねる毎に
その存在が大きくなるような気がして
静かで寒さの厳しい夜に
思いは膨れ上がるばかりでした
寒い部屋で眠る子供たち
いつも重なり合うように寝ています
窮屈ではないのかなと思うのですが
昔から人とくっついて寝るのが好きなようなので
冬場は特に温かくて良いのでしょう
自分も時折一緒に眠るのですが
体をくっつけてきたり
足を乗っけてきたりで
本当に寝た気がしません
よくこんなに折り重なりながら
眠れるなと三人を見て思います
もう今年も残すところ後わずか
年末年始は家でゴロゴロしようと
少し多めに食材を買いました
もう夕暮れ時
夕日が随分と低いところまで降りていて
そのオレンジ色の眼差しで
僕を見ているようでした
まるで今年一年の労苦を
労ってくれているような
少し濡れた目
今年の終わりを実感していました
夜、駅の階段を降りる際に
手すりにつかまろうと触れると
氷に触れたような冷たさが伝わってきて
思わず手を放しました
冬が手すりに住み着いて
それに相応しい冷たさに
変えてしまったものです
一瞬、驚いて、胸の中もひんやりとして
冬は家の中で
布団にくるまっているのが一番だなと
そんなことを思いました
冬の寒さのせいで人が少ないのか
ここのところ、夜遅くなると随分と静かです
たまに、酔っぱらいの声がする位で
そんな夜の静けさの中で
パソコンをいじりながら
ああでもない、こうでもないと
思わずつぶやくと
その声の大きさに
我ながら驚いてしまいます
誰か起こしてしまったのではと思い
横を見るとぐっすり眠っている子供
独り言を言わないようにと
心にとめて
またパソコンに向かいました
冬になってますます
子供たちが朝、布団の中から出てきません
部活の朝練があるので6時半に起こしてと言われて
こちらも遅れてはいけないと
必死に声をかけるのですが
あと5分といった後、しばらく起きてこないので
また声をかけに行く繰り返しです
眠いし、寒いしで
布団から思い切って起きる気持ちにならないことは
自分も良く分かっているのですが
こちらだけ、慌てた気分で
子供たちが呑気に起きてこないと
それはそれで頭にも来ます