風のささやき 俳句のblog

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屋根の猫見上げ夕べの鰯雲【季語:鰯雲】

2014年08月30日 | 俳句:秋 天文

夕映えが鮮やかな秋の空を
いくつもの鰯雲が漂って
金色に輝いていました

その自然が織りなす情景に
心を奪われて足を止めた僕でした

夕食時
屋根の上では
きっとお腹をすかせた猫が
鰯雲を見上げていました

すこしお腹が
なったりしていたのでしょうか


(Haiku)
A cat on the wall,
Watching evening’s hues unfold,
Mackerel sky drifts.


柿色の暮れや寄り添う彼岸花【季語:彼岸花】

2014年08月23日 | 俳句:秋 植物
彼岸花(曼珠沙華)は秋のお彼岸の頃を
見計らって咲く真っ赤な花です
(テレビでは珍しい
 白い彼岸花の紹介をしていましたが)

今週、車で道を走っていたら
あちらこちらに彼岸花が顔を出して
鮮やかな限りに季節の移り変わりを
教えてくれていました

そうして日の入りが早くなった
どこか柿色の夕暮れの中で
ひっそりと寄り添うその姿は
過ぎた昔の出来事を
懐かしんでいるようにも見えました

赤とんぼ触れて川面に夕べの火 【季語:赤とんぼ】

2014年08月09日 | 俳句:秋 動物
秋の気配が迫るにつれて
赤とんぼはその色を深めていくようです

それは、遅くなく訪れる
彼岸の時間に向けて
小さな命の勢いを高めているかのようです

産卵のためでしょうか
赤とんぼが水面近く飛んで
おしりを川面につける仕草をしていました

夕暮れの中で繰り替えされるその行為は
真っ赤に燃えた体で
川に炎を点そうとしているかのようでした