風のささやき 俳句のblog

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初雪に仕事のほてり鎮められ 【季語:初雪】

2016年12月24日 | 俳句:冬 天文
その日もバタバタ忙しく
とても今年も終わるとは
実感できずにいました

その夜は友人と飲みに出かけ
今年も早かったと
そんな言葉を交わしていました

店を出る際に店員さんが
明日からは一層冷え込みそうですよと
教えてくれました
「そうですか」等と生返事を返して
家路へと向かったのですが

電車を降り家に向かう頃には
空から霙状のものが舞い降りて来ました
初雪でした

その冷たさに
今だ僕の中でほてり続けていた
仕事の余韻も鎮められて
今年も終わるんだという実感が
ようやく胸にしみてきました

冬晴れやレールは空の青さかな【季語:冬晴れ】

2016年12月17日 | 俳句:冬 天文

晴れた冬の日
電車を待っていたら
目にまぶしさが飛び込みます

レールの反射する
冬の柔らかい陽射しでした
そうしてその鉄の上には
空の青さも佇んでいました

まぶしい光は
青に飾った姿を伝える
レールの合図
なかなか綺麗でした

(Haiku)
Rails reflect soft sun,
Winter’s glow, blue sky resides—
A canvas of blue.


小春日や皺ほころばす老婆かな 【季語:小春日】

2016年12月10日 | 俳句:春 時候
穏やかな冬の午後
散歩がてら公園を歩いていたら
仲の良い友達同士なのでしょう

公園のベンチの上で
お婆さんが二人
楽しそうに話しをしていました

昔話に華を咲かせているのか
はたまたお孫さんの自慢なのか
会話の内容はわからなったのですが
小春日に誘われて二人の口調も滑らかです

やがて顔に深く刻まれた生活の証の皺も
ほころび始めて
笑顔も若返って行くように見えました