風のささやき 俳句のblog

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人や虫風さえ集め鉢の梅 【季語:鉢の梅】

2017年02月25日 | 俳句:春 植物
鉢植えの小さな枝に
淡い紅色の梅がほころんでいました

辺りを華やかにするその花を
歩いている人は必ず足を止めてのぞきこみます
普段は花になど興味がなさそうな
風貌の人も決まってです

僕もその例にもれず
鉢植えの前で足を止めたのですが
よく見ると小さな蜂もいて
花の中で忙しそうにしています

そうして俄かに暖かな風も吹いて
花を揺らしました

こんな小さな鉢植えの梅なのに
多くの者を惹きつけるなんてたいしたもんだと
変な感心をしていました

春寒し名所の松も逆立てり 【季語:春寒し】

2017年02月18日 | 俳句:春 時候

陽射しは明るいのに
とても肌寒く感じられた
春先の午後でした

知りあいに誘われて
御油の松並木を歩きました

旧東海道「御油宿」と「赤坂宿」の間の
松の大木の並ぶ有名な場所ということで
行って戻ってきました

帰りは逆光で
枝を見上げると松の葉は光り
柔らかな毛並みのように見えました

その毛並みは
肌寒い風に吹かれて
逆立っているよう
寒さが一層、迫ってきました


冬ぬくし地蔵に尋ねる分かれ道

2017年02月11日 | 俳句:冬 時候
随分と暖かな午後でした
何枚も着込んだ衣服に
少し汗ばみながら
僕は田舎道を歩いていました

目的も無く散歩がてらに歩いていたので
真っ直ぐだった道が二つに分かれると
どちらに行こうか迷ってしまいました

その分かれ道のところにはちょうど
赤い涎掛けをしたお地蔵様
とても穏やかな顔をしています

まるで僕が行くべき方向を
知っているような気がして
僕は背中に暖かな陽射しを感じながら
お地蔵様に道を尋ねていました

鬼の面怖き方買う福は内 【季語:福は内】

2017年02月04日 | 俳句:冬 人事
節分になりスーパーに行くと
節分用の豆と鬼のお面とが売っていました

節分用の豆も何種類かあり
鬼の面は幾つか選べたりします

ここ数年は豆まきをした覚えもないのですが
そのお面につられ
思わず豆を買いました
それもちょっと鬼らしい
怖い表情をしたものを

こんな顔の鬼を追い出せば
家の中には福が残るかなと
そんなことを思っていました