風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

繰り返す悪夢が心を踏み荒らす寝ても覚めてまざまざと見る【短歌】

2024年12月17日 | 短歌

嫌な夢を見て目が覚めました
ゆっくりと休んだ気分になれず
不快な重さが頭に残りました

二度寝しようにも眠れずに
肝心の悪夢の中身も覚えてはいません

けれど嫌なことは
目を覚ましてもあります
身の回りにもテレビの画面からも
信じられない話が届いたりします

寝ても覚めても悪い夢が続き
どこに心を休めれば良いのか
煩わずにはいられません


秘密基地いつから襤褸の雨ざらし君の胸だけ安心して寝る【短歌】

2024年12月10日 | 短歌

子供たちが家の中で
布団やらテーブルを組み合わせて
秘密基地を作ります
何が楽しいのだろうと思うのですが

その秘密基地に入りながら
テレビを眺めたりするのが楽しいようです

確かに自分も子供の頃は
押し入れに隠れて秘密基地だと言ってみたり
その自分だけの隠れ家の中で
本を読んだりと楽しんでいました

そんな自分の逃げ込む秘密基地を
いつからか僕は失ってしまったのでしょう
逃げ込んだとしても雨ざらしのボロボロの物
心休まる物ではとてもありません

せめて大切な人の横で安心したいと
誰かを探してしまうのかも知れませんね


生きたくも生きられなかった訃報聞く生厭い倦む人多きなか【短歌】

2024年12月03日 | 短歌

突然の知り合いの訃報に触れました
随分と前に一緒に働いたことがある人で
もう随分と会ってはおらず
日常の記憶からはその面影は消えていたのですが
名前を告げられると直ぐにその表情が浮かびました

40にもならないうちに亡くなられたとのこと
まだ小さなお子さんが3人もいて
3年ぐらい闘病生活をされていたようです
本当に悔しかったろうなと胸が痛くなりました

一方で生を厭い
生きながらえることに倦んでしまったように
見受けられる人も少なからずいます

誰に恨み言を言えばいいのか分からないのですが
生はなかなか思うようには行かないものだと
溜息が出てしまいます

こんな死に際を想像はしていなかったはずの
その人の笑顔を思い浮かべていました


昨日まで半袖を着て強がった子供が寒いと弱音吐く朝【短歌】

2024年11月26日 | 短歌

冬になったというのに
半そで、半ズボンで学校に行っていた三男

まわりが心配して上着を着ろと言うのですが
大丈夫、暑いからと言うことを聞きません

その日の朝は天気予報でも
随分と冷え込みますとの話し

三男にも着込むように注意をしたのですが
結局、いつものように強気で外に出ました
念のための薄手のジャンバーを持たせていたのですが

外に出るなり寒いといって
あっさりとそのジャンパーを来ました

根性無しめと思いつつも確かに
元気な子供も寒いと思わせるような
冷たい風吹く朝のことでした


風に舞う枯葉のようで僕の歌手を離れれば風のみぞ知る【短歌】

2024年11月19日 | 短歌

風に舞う枯葉
道を掃除している人にも出会うので
一部は焼却炉にまわるのでしょうが
ほとんどは風に吹かれていなくなり
知らぬ間に消えてゆきます

そんな行方知らずの枯葉にも似て
僕の書いた詩も一度手を離れれば何処かへと
枯葉に重なります

一度ぐらいは人の手に
拾い上げてもらえれば嬉しいのですが
それは贅沢な希望なのでしょう

枯葉に自分の詩を見るようで
風に吹かれて道の上を転げる
その行方を目で追ってしまいます


干渉がそんな好きなの暇つぶす余裕あるなら襟元ただせば【短歌】

2024年11月12日 | 短歌

色々と助言が好きな人がいます

人の事は冷静にみられるので良く分かるのか
色々と助言をくれるのですが
実際その人が言うほど立派な行いをしているかと言うと
必ずしもそうは感じられずに

人の事をとやかく言う前に
自分の襟元を正せばいいのにと思います

その助言も心には届かずに
単なる暇つぶしなのではと疑ってしまいます

助言をくれるのであれば
親身になって
その人自身も努力した上で
言葉をかけて欲しいものです


落ちた葉の色とりどりに惑わされ当てずっぽうの鳩のついばみ【短歌】

2024年11月05日 | 短歌

毎朝の道を
沢山の落ち葉が埋めています

色とりどりのその葉
まだ変わらない緑も
所々に混じっています

先日は何故か
その落ち葉が吹き溜まった所に
鳩が集まって
落葉の中に首をつっこんでいました

その中に何か美味しい餌があると
勘違いでもしているのでしょうか

もちろん落葉は
そんな美食を隠しているわけではなく
何も無くてあても外れたような様子を見せる鳩たち
それでもまた落葉の中をついばんだりします

鮮やかな色合いが鳩の感覚を狂わせるのですかね
人も色に惑わされることも多いのでしょうが
鳩のそんな姿を見たことが無かったので
ちょっと後ろを振り返り
その行動を確認してしまいました


深手負う心の傷を知りもせず君が語るな僕の痛みを【短歌】

2024年10月29日 | 短歌

心に感じる痛みは人それぞれ
自分はどちらかと言うと敏感なようで

そんなことでは傷つかないことにも
落ち込み、心を掻き毟られるときがあります
だから、人と話すことに
ちょっと億劫になったりもします

そんな自分に助言をくれる人もいて
けれど、どこか心がこもらず嘘っぽく
共感ができません

僕の痛みが分からない癖に
勝手なこと言うなと
反発する気持ちも強くなります

せっかくの親切心で
言ってくれていることは分かるので
自分の心の狭さに嫌悪もしますが


かぐしわしきあなた くちなし 沈丁花 金木犀より 胸 甘くなる【短歌】

2024年10月22日 | 短歌

甘い香りがして
花の存在に気がつく時があります

普段は地味な沈丁花も花を咲かせれば
途端にその甘い香りで存在感を増します
思わず香り漂う方へ足を向けます
一年に一回のことですが

花屋でのぞくクチナシ
金木犀は時期になると
花が待ち遠しくなります

大切な人も香り高い花のよう
人混みにあっても
かぐわしさに直ぐ分かります

いつまでもその香りが
胸を甘くするようにと願います


毟りあう生は競走でたらめを盲従してまた毟りにゆく君【短歌】

2024年10月15日 | 短歌

子供たちの喧嘩は
本当に浅ましいです

誰が多く食べただとか
あいつが悪いのに俺が怒られたとか
人に譲ったり、ちょっと我慢をしたりすることが
損をしていることだと感じるようです

お互いに譲り合えば
喧嘩もなくなると教えるのですが
すんなりと腑に落ちないようです

確かに大人の世界でも
同じようなことをやっているので
子供にだけ理想を押し付けても
いけないのかも知れません

それが当たり前だと思い
人からも毟り取ろうとする浅ましさは
持たないで欲しいと思います