子供がお手製の万華鏡を
褒められて帰ってきました
厚紙で三角の筒状の躯体を作り
その先には一口ゼリーの
透明な容器を取り付けています
容器を何種類か用意し
様々な模様を描いて
それを取り替えると模様が変わる仕組みです
こうした工作が得意な次男
我が家では異質な存在で
誰の血を引いたのだろうと思います
次男に急かされて
覗いてみた万華鏡は
確かになかなかの出来栄え
万華鏡から眺める光溢れた世界は
きっと次男に見えている世界
これからどんな
光の模様に浴そうとするのか
楽しみにしています
子供がお手製の万華鏡を
褒められて帰ってきました
厚紙で三角の筒状の躯体を作り
その先には一口ゼリーの
透明な容器を取り付けています
容器を何種類か用意し
様々な模様を描いて
それを取り替えると模様が変わる仕組みです
こうした工作が得意な次男
我が家では異質な存在で
誰の血を引いたのだろうと思います
次男に急かされて
覗いてみた万華鏡は
確かになかなかの出来栄え
万華鏡から眺める光溢れた世界は
きっと次男に見えている世界
これからどんな
光の模様に浴そうとするのか
楽しみにしています
とても寒い日
首筋を冷たい木枯しにさらされ
ポケットに入れた手も冷たく
早く家に着きたいと
頭にはその思いだけでした
けれど家までの道のりはまだ遠く
あせる気持ちに追いつけない
足がもどかしく感じられます
暗闇が足をとらえ
冷たい風が枯らそうとするようで
すっかりと心細くなりました
子供たちと離れ
一人で東京に戻る
電車の時刻が間もなくでした
週末の二日間
一緒に過ごした小さな子供たちは
日ごとに違った表情を見せて
もう少し一緒に過ごしたかったと
別れる寂しさが胸に広がりました
その小さく柔らかな体を
胸に抱いた後には
ミルクの香りが残り
お腹を満たして
眠ったままの二人の子供たちに
さよならを告げる手が
とても重く感じられました
寝苦しく過ごす夜を
忘れさせてくれる朝
空が明るみ
朝の光が闇を洗うと
苦しい寝汗も去っていきます
柔らかな希望を
湛えている朝の陽射し
それを感じとってさえずる野鳥
朝の陽の雫を手のひらのくぼみにためて
力が湧くようにと顔に受けます
優しすぎて一人で苦しむ人
苦しみを自らに引き受けてしまう人
人に見られないように
さめざめと涙を流して
そのたまりに身を潜め咲く
気高い青い薔薇のようです
苦しむ必要のない人が
苦しむ世は理不尽に満ちていると
感じられるのですが
止められない歩みのなかで
その花に慰めが注ぎ
更に気高く花開きますようにと願います
(Tanka)
In a limpid azure tear’s hold,
A lone blue rose blooms lofty,
Pure and true you are,
In solitude, you blossom,
Regal, gentle spirit.
あなたが一人 寂しくないようにと
いつもあなたのことを思います
一人の夜はとても長く感じられ
重い闇がのしかかって
あなたが苦しいときにも
何もできないことのもどかしさ
せめて暗い闇を内から照らす
優しい陽射しの花束を
思い描き贈ります
あなたは決して一人ではなくて
沢山の人の温かさに包まれていること
胸一杯に感じて欲しくて
年末は一人だったので食生活も適当でした
何かを作る気もしなかったので
昼はインスタントラーメン
夜はハムやチーズ、パンなどを肴に
お酒を飲むだらけた生活
年越しそばにも魅力を感じず
最低限の物を買ったのですが
雑煮を作りたくなって
その材料も買いました
食べる人もいないのにと
思わず苦笑いをしながら
大晦日の夜には母が
正月に食べる雑煮を作っていたので
その習わしに従いました
その雑煮ですが
出来上がったところで
鍋に腕を引っかけて
全て台所の床にぶちまけました
その瞬間は頭が真っ白になり
何が起こったのか分からない状態
雑煮を作った自分への
怒りが沸々と湧き上がってきました
年を重ねた分だけ
自分との折り合いをつけることが
上手くなっていくようです
一つには嫌なことを上手に忘れること
そうして忘れてしまったことが
どれぐらいあるでしょう
そこには本当は忘れてはいけない
大切なこともあったはずなのですが
それすらも思い出せません
いまでは忘れてしまったものたちの感触が
胸に湧き起こることもなくて
その感触をなぞろうとする筆も
先に進むことはありません
嫌な夢を見て目が覚めました
ゆっくりと休んだ気分になれず
不快な重さが頭に残りました
二度寝しようにも眠れずに
肝心の悪夢の中身も覚えてはいません
けれど嫌なことは
目を覚ましてもあります
身の回りにもテレビの画面からも
信じられない話が届いたりします
寝ても覚めても悪い夢が続き
どこに心を休めれば良いのか
煩わずにはいられません
子供たちが家の中で
布団やらテーブルを組み合わせて
秘密基地を作ります
何が楽しいのだろうと思うのですが
その秘密基地に入りながら
テレビを眺めたりするのが楽しいようです
確かに自分も子供の頃は
押し入れに隠れて秘密基地だと言ってみたり
その自分だけの隠れ家の中で
本を読んだりと楽しんでいました
そんな自分の逃げ込む秘密基地を
いつからか僕は失ってしまったのでしょう
逃げ込んだとしても雨ざらしのボロボロの物
心休まる物ではとてもありません
せめて大切な人の横で安心したいと
誰かを探してしまうのかも知れませんね