風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

溜息はなお深くなり冬を待つ【季語:冬を待つ】

2024年11月02日 | 俳句:秋 時候

特に何かを思い煩っている訳ではないのですが
気が付くと溜息をついていたりします
その溜息もまるで自分の知らない暗がりから来るようで
こんな暗い場所がまだ自分の中にあるのだと
我ながら驚いたりしています

やがて冬になり
その溜息は更に深く冷たくなるのでしょうか
その溜息ではきっと凍えた手は温められません
やがて心が凍ってしまうのではと
そんな予感を感じながら冬の足音を聞きます


北国や一足飛びに秋の顔 【季語:秋】

2024年09月28日 | 俳句:秋 時候

秋田に子供たちを迎えに行った時のこと

東京と違い北国はもう
一足先に秋の風が吹いていました
夜には虫も鳴いていて
風も少し肌寒く感じられたほどです

それに遅れてですが
東京でも随分と秋らしい日差しを感じる機会が増えました

暑いと窓を開けて寝ていたのに
今は窓を閉めて寝ています

足早な季節の移り変わりを感じています


身にしみて夕べの窓閉じ二度寝する 【季語:身にしみて】

2024年09月14日 | 俳句:秋 時候

窓を開けて昼寝をしていました
心地よく風が吹いてくるので
半分は目が覚めていたのですが
いつまでもだらだらと横になっていました

けれどさすがに夕方近くになると
風も冷たさを増して
体が冷えてくる感覚を覚えました

それでもだらだらと
布団に横になっていたのですが
ついに耐え切れずに起きだして
窓を閉めて毛布を出してくるまりました


秋初め薄墨雲の慌てよう 【季語:秋初め】

2024年08月24日 | 俳句:秋 時候

海外から羽田に戻ってきた日のこと
空港の外にでると風が
秋を感じさせました

暑い所から戻ったので
余計にそう感じたのかも知れないのですが

空を見上げると
どこか陰のある薄墨の雲が沢山
風に流されていました

僕は爽やかな風を浴びながら
どこかざわざわと騒ぎ立てるような
雲の流れる様を眺めていました


身に沁みて手合わす墓碑と空の果て 【季語:身に沁む】

2023年11月04日 | 俳句:秋 時候

母のお墓の近くに
自転車で行く用事があり
お線香を持って
帰りがけに立ち寄りました

午後の少し遅い時間
人もほとんどいなくて
墓地は静かでした

そうして普段は子供たちを連れてくるので
ゆっくりと手を合わせることもできないのですが
今回は自分だけ

お線香を焚いて
墓碑の前で跪き手を合わせました

見上げた墓碑がどこか大きく見えて
そうしてその先の空が澄んでいて

母に手を合わせるとともに
その母が消えて行った空の果てに
幸いがあるようにと
身に沁みる風に吹かれながら
祈っていました


静けさや夜長の供に砂時計 【季語:夜長】

2023年10月21日 | 俳句:秋 時候

秋の夜は
とても静かに感じられます

子供たちも寝静まって
テレビの音を消したら途端に
静かになりました

少し寂しさを感じて
以前、子供たちが買った
砂時計をひっくり返してみました

その音もなくさらさらと落ちていく砂が
秋の夜長にはあっている気もして
3分ほど、砂が落ち切るのを眺めていたら
心も落ち着いていました


長き夜や目に沁む赤き十字かな 【季語:長き夜】

2023年10月14日 | 俳句:秋 時候

夜遅い時間を一駅歩きました

都会は賑やかですね
駅前はまだまだお店も開いていて
賑やかだったのですが

暫く行くとシャッターを閉じたお店ばかりになり
通りも闇の支配下に置かれたようでした

その中で目の中に飛び込んできた赤い十字架
街中の教会の上に建てられたもので
思いがけない物だったこともあり
心の中に強い印象を引き起こしました

暗闇とその中で標の様に輝く十字架と
教会を後ろに歩き過ぎた後も
その十字架の印象は僕の心に
残像として強く残りました


新涼や子にすり寄りし目覚めかな 【季語:新涼】

2023年10月07日 | 俳句:秋 時候

夜は随分と涼しくなってきたので
窓を閉めて寝ようとするのですが
三男が暑い、暑いと大騒ぎをするので
仕方なく、窓を開けてねます

その割にはしばらく窓を開けていると
寒くなるようで布団を被り眠っていたりします

朝になると三男と
母親が寄り添いながら寝ていたりして
だんだんと暖が恋しくなる時分ですね