風のささやき 俳句のblog

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朝陽にも歯牙を立てたり霜柱 【季語:霜柱】

2015年01月31日 | 俳句:冬 地理
ここのところ寒い朝が続いていたせいか
電車から見える大地に
真っ白な霜柱がひしめきあっています
枯草さえも白く凍てつかせて
ある朝、そんな霜柱が盛り上がり
大地から白い歯を立てていました

それは朝陽に向かって
自分の力強さを自慢しているようにも見えて

その根拠の無い
子供のように無邪気な力強さが
うらやましく思えました

凍つる風心と水と乱しおり 【季語:凍つる】

2015年01月24日 | 俳句:冬 時候
凍てつくような風が
とても強く吹いている日でした
何か不安なことに懊悩するかのように
風の流れは規則性を持たずに
巻き上げた砂を含んでは
予想できない方向に吹き荒れていました

そんな風の動きに敏感に反応するように
公園の小さな池の水面も
不規則な小波をたてて怯えているようです

その様は心に次々と湧いてくる思いに
弄ばれている自分の様と重なります
風に鎮まっていた心の疼きが
どこかまた寒く痛々しく感じられてきました

石仏や木枯し印を解かざり 【季語:木枯し】

2015年01月17日 | 俳句:冬 天文
以前、近くのお寺を訪ねた時のことです
陽射しは明るく照っていたのですが
手を触る風はとても冷たく
吐く息も真っ白でした

石段を上ると
そこには小さな石仏が手に印を結んでいました
勉強不足の僕にはその意味は分からなかったのですが
きっと皆の平穏を祈り続けているのでしょう

冷たい風にも祈りをやめないその強さの
少しでも自分にあればなと思っていました

丸くなる鳩寄る辺なき寒暮かな 【季語:寒暮】

2015年01月10日 | 俳句:冬 時候

寒い毎日を過ごすのは
人だけではありません

例えばベランダの植木
動けぬままに
霙交じりの雨に打たれていました

普段は駅のホームに群れ
邪魔だと思う鳩も
そんな寒さに耐えるもの

太陽が落ち暗くなるころ
公園の芝生に
一羽の鳩が背中を丸めていました
これ以上、寒くならなければ
いいのにと思いました


初明りまばゆさ部屋に心にも 【季語:初明り】

2015年01月01日 | 俳句:新年 天文
元日の朝
少し遅めに目を覚ましたのですが
カーテンを引き
今年初めて招き入れた朝の光に
部屋の中が少しまばゆいぐらいに感じられました
ほんとうは昨日と変わらない朝のはずなのに
年の初めの心持が朝の光を
明るく見せてくれたのでしょう

少し新鮮な気分で
今年は何をしようかと
いくつか目標を考えていました

できればこんな新鮮な心持のまま
毎日を迎えることができればいいのでしょうが