風のささやき 俳句のblog

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焼きたての、パン食べたいと、早起きの 子の「美味しい!」の、明日も作るよ 【短歌】

2023年01月31日 | 短歌
パン焼き器を買ってから
週に何回かはパンを焼いています

近くに小麦粉などの食材が売っているお店も見つけたので
大袋で強力粉も買ってきました

先日は、チョコチップ入りのパンに
挑戦したのですが、これもなかなかよくできました

やはり出来立てが美味しいようで
普段、朝の弱い三男が
その焼き上がりの時間に起きてきました

また明日も焼いてと言われて
その気になった自分でした

牡丹雪時々外を見るほどに 【季語:牡丹雪】

2023年01月28日 | 俳句:冬 天文
雪が降った日のこと

最初は大したことのなかった雪が
段々と本降りになり
ぼとぼとと空から落ちてくる感じになりました

僕はその雪が気になって
ちょくちょく窓際に行っては
寒いのに窓を開けて外を眺めていました

しばらくは続くのかなと思っていた雪は
けれど勢いをなくして
ただ灰色の空だけが残りました

止まり木に 【詩】

2023年01月26日 | 
「止まり木に」

心はいつも乱れて止まないね
 荒れ狂う波に投げ出されて
  息つく暇を失くしてしまうようだ

その狂濤が終わらないうちに
 容赦なく次の波が押し寄せて
  塩辛い水に口を塞がれる
   新たな煩いが額に押し当てられる

乾かぬ涙の上に
 重ねる涙の道筋が
  あなたの心を強くして
   いつしか確かな道となって
    あなたの歩く轍となればいい

その遥かなる道は
 幸いの小道へと連なるように
  初夏の朝の陽ざし
   木漏れ日の道
    カモミールが咲き
     さりげなく

その日に連なるために
 あなたが心を休める日もある
   僕は荒れた海の
    止まり木になろうと思う

どこであなたが迷ったとして
 疲れた羽を休ませる止まり木に
   あなたの行く先々に
    海原に姿を見失わない

あなたの重みを受け止める
 沈まない浮力
  折れないしなやかさ
   つかまる足を傷つけないよう
    滑らかな手触りで

あなたがいつしか
 荒れた海の顔にさえ
  穏やかさを感じる
   心の強さ持った時には

僕はもう役割を終えて
 止まられることもない
  海の木くずとして漂うだけで

あなたの飛び立った
 空に雲を眺める
  時々はあなたの顔をそこに描き
   暖かな太陽にお願いをする
    あなたの頬に陽ざしの唇が
     いつでも当たっていることを

僕は止まり木
 あなたの喜びも
  一時はそこに止まり
   一緒に心を震わせることが出来ればと

汗ばんで、心、手のひら、人は圧 つぶされまいと、肩ひじの僕 【短歌】

2023年01月24日 | 短歌
人といると
どうしても圧迫感を感じる自分

もう昔ほどには
肩ひじをはることもなくなったのですが
それでも体がどこか緊張します

相手はまったく、そんな圧など
かけていると思っていないので
独りよがりの気分なのですが

自分一人が、体に力を入れて
押しつぶされまいと
頑張ってしまいます

唇を閉ざし心もしんと雪 【季語:雪】

2023年01月21日 | 俳句:冬 天文
雪が降った日のこと

外に用事があって出かけたのですが
寒いので自然と口元も
固く閉じられて
俯き加減に早足で歩きました

雪の街は音も静かに
それに合わせるように
普段は騒いでばかりの
胸の内も静かになりました

普段からそんな静けさを
保っていられれば
色々と慌てふためくこともないのでしょが
雪に諫められないと
騒音もなくならないよう

それでいつもは
落ち着かないでいる自分です

鎮魂歌 【詩】

2023年01月19日 | 
「鎮魂歌」

見渡せる限り
甘い香りを漂わせる
黄色の花畑だった

大気が優しい蜂蜜色をして
蜜蜂の舞う透明な羽音が
空気を少しだけ震わせていた
(そのたくさんの羽が
 反射する微かな光り)

あなたはこちらを
振り向くこともなく
歩いて行かれた

すべてを終えた
安らかさで編んだ
白い清楚な服に身を包み
花畑から続く蒼い空へ
黄色の花を敷き詰めた坂道を
(僕らにはその坂道を
 歩みだすことが許されていなくて)

もうその姿は見えなくなる
僕らの声は世界を区切る
うねる風の壁にさえぎられて
あなたの耳にはもう届かない

あなたは微笑んでいかれたのかしら
あなたの踏み入れた
新しい土地の蒼穹に吹く風は
あなたの憂いを持ち去って

水晶のように澄んだ心には
オーロラが映えるだろうか
それはあなたが地上で摘んだ
沢山の思い出がとけ合った色合い
とても綺麗だと今更ながら気が付いて
そんな風にあなたが一生懸命に生きた証

やがて ご褒美のように
懐かしい声もする
飴玉を頬張るように
口の中が甘くなる
(それとわずかの酸っぱさと)

あなたをずっと
待っていてくれた人たちの
その聞きおぼえのある
また聞きたかった声が
確かに耳に届く

あなたの頬も甘く濡れ
まるですずらんの花の中に
ためていた朝露のように
きれいな涙で

あなたの息づかいが
聞こえない毎日を
この場所にひたむきに
僕らは暮らして行きます
時折はあなたが
教えてくれた歌を口ずさみながら

すこしでもあなたの高さに届くように
あなたの手の温もりに報いるように
その優しい眼差しに
再び会うことができるように

僕らの面影は
あなたは花篭に
携えていかれましたか

いつしか思い出してくれる時があれば
ひときわ輝き出して
あなたを微笑ませてくれますように

去るばかり、追いたい、何故、駄目、留まらぬ 面影、風景、その時の、心 【短歌】

2023年01月17日 | 短歌
移り変わる物事を
止めるすべがないものかと
いつも思ってしまいます

幸せな時間、いつまでも見ていたい風景
そうして何よりも
心の移り変わる速さには
いつでも取り残されてしまいます

色々なものを持っているようで
何一つ持っていないことに気が付き
あっけにとられているうちに
生も過ぎて行きそうです

げんなりしメールの数や初仕事 【季語:初仕事】

2023年01月14日 | 俳句:新年 人事
1月も半ばを過ぎて
すっかりと忙しい日常モードになっています

仕事始めの日も
メールを開くと沢山の未読メールが
待っていました

お目出度い気分を
もう少し味わっていたかったのですが
直ぐに正月の間のだらけたモードから
引き戻されてしまいました

忙しいことは
良い事なのかも知れませんが

雪 【詩】

2023年01月12日 | 
「雪」

雪が降ってくる
さらさらとした雪が
深い夜の底から
手品のように尽きることなく

人通りのない街角は静かすぎて
冷え冷えとした白銀灯の下
夢を見ている僕なのだろうか

観客のいない舞台
一本のライトに照らされた役者
白い息を吐き 空を見上げて
両手を雪に捧げている無言劇

「これは何かの祝福か
 あるいは不浄なものを
 白く清める空の意志なのか
(ならば僕の体をその下に埋めてくれ)」

モノクロームの世界のなかで
ぶりきの玩具のような
がらんどうの胸に闇が満ちる
頭は霜ふる白い冷気に満たされる

倒れてこのまま
眠ってもいいだろうか
夢と現実とが雪に混ざり合う
足は立っている感覚を失う

とても眠い
冷えてゆく体
雪が降る 白く積もる
雪の下に眠れば紫の唇
まつ毛も凍り
血の気の失せた白い耳に
誰かの温かな手が触れる
明日があるのだろうか

幻なのかも知れない
もともと僕なんて
雪が溶けだすと一緒に
溶けてしまうような

新しい、ピアス飾った、君の耳、行こう、街へと、みんなに、見せる 【短歌】

2023年01月10日 | 短歌
僕はおしゃれでもなく
服にもこだわりはありません

けれど、次男は
帽子やアクセサリーなどに関心を持っていて
おしゃれをして出かけます

自分が楽しいことに加えて
自慢のものを人に見せる
楽しみもあるのでしょうね

僕にもそんな気持ちがあれば
きっと、買ったばかりの服や
アクセサリーを身に着けて
街に出ていくのでしょうが
どうも抵抗感があります