風のささやき 俳句のblog

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通り雨つつじに宿る雀かな 【季語:つつじ】

2017年05月20日 | 俳句:夏 植物
その日は朝から曇り空だったのですが
昼を過ぎるころから雨が降って来ました

傘を忘れて家を出た僕は
せめて雨の勢いが少し弱まるまで待とうと
お店の軒先に逃げ込んだのですが

目の前のコンモリと茂ったツツジには
何匹かの雀が逃げ込み
チュンチュンと賑やかです

人の雨宿りは退屈なものですが
雀の雨宿りは随分楽しそうだなと
うらやましく思っていました

空腹に食は細らぬ鯉のぼり 【季語:鯉幟】

2017年05月13日 | 俳句:夏 人事
この前の子供の日のことです
電車から窓の外を眺めていたら
あちらこちらで大小の鯉のぼりが
空を泳いでいました

勢いの良いもの
少し弱々しく泳ぐもの
鯉のぼりにもいろいろな種類がいるようです

ただ、空を泳くのは随分と
体力を使うのでしょう
いずれの鯉のぼりも
お腹をすかせた様子で
いつまでも体に風を吸い込んでは
食べることに飽きないようでした

それぞれの暮らし集めてメーデーの旗 【季語:メーデー】

2017年05月06日 | 俳句:春 人事
以前、メーデーに参加したのですが
天気が良かったせいか
大勢の人が集まっていました

僕は会場でうろうろしていたのですが
近くでは座り込んで
お弁当を食べている人もいて賑やかです

青空の下には
組合名が書かれた
色とりどりの旗が
風になびいていたのですが

各々の旗の下には
それぞれの悩みと
生活が集まっていることを想像したら
計り知れない暗闇を
覗いてしまったような気がして
呆然自失とした気分を味わっていました