風のささやき 俳句のblog

訪問ありがとうございます
オリジナルの俳句を中心にご紹介しています
詩や短歌も掲載しています

柔き雨ご馳走さまの芽ぐむもの 【季語:芽ぐむもの】

2018年03月31日 | 俳句:春 植物
気持ちの良い春の雨が
降り注いでいる夕方でした

久しぶりの雨に
埃っぽい大地も少し潤い
すべてのものが洗われて
綺麗になったように見えます

傘を差して帰り道を歩いていると
どの木々にも
芽吹き始めた緑が賑やかです

そんな緑にこの夕べの雨は
有難いものだったのでしょうか
すべての緑がお腹を一杯にしたように
満喫して膨らんで見えました

花粉症仲間ばかりの車両かな 【季語:花粉症】

2018年03月24日 | 俳句:春 時候

その日は花粉が非常に多いと
予報が告げていました

嫌だなと思いながら
通勤電車に乗りました

薬はしっかりと飲んだのですが
案の定、電車に乗ってほどなく
くしゃみがとまらず鼻がムズムズとしました

まいったなと思いティッシュを取り出し
鼻をグズグズとさせながら周りを見ると

あちらこちらから鼻をぐずぐずとさせる音
そうしてくしゃみ

あの人も、あの人もと
花粉症らしき人を確認しながら
おかしな連帯感を感じていました


菜の花と蒲公英の黄の色比べ 【季語:菜の花、蒲公英】

2018年03月17日 | 俳句:春 植物
川原を歩いていたら
菜の花が一面に咲いていて
風景が明るい黄色に染められていました
花に触れると風さえもが黄色く色づくようです

そうしてその傍らには
たくさんのタンポポの花
背丈は小さく菜の花ほどには
人の目を引かないのですが
タンポポの黄色には暖かみがあり
こちらもなかなか捨てがたいものです

二つの黄色の競演は春の彩り
僕は自分が浮かれ立つのを感じていました

パンジーは冷たい雨の蒼さかな 【季語:パンジー】

2018年03月10日 | 俳句:春 植物
春だというのに
とても冷たい霙が雨と交互に降っていました
傘を差しながら僕は
はっきりとしない空模様を
恨めしく思っていたのですが

それ以上に冷たい雨に参った様子だったのが
花壇に咲いていた青いパンジー

いつもだったら楽しげな様子に見えるのに
この日ばかりはすっかりと青ざめて見え
元気のない様子
そんなパンジーを見ていたら
一層寒さも強くなったように思え

凍えるパンジーをおいて歩き出していました

鉢増えて花屋の軒先埋まる春 【季語:春】

2018年03月03日 | 俳句:春 時候
ここのところよく
近くの花屋さんで足をとめます

普段は切花が多く
寂しく感じられる店先が
数週間前から
たくさんの鉢植えに埋め尽くされています

店先だけでは収まりきらない鉢植えは
店の前の道にも置かれ
たくさんの人が足を止めていきます

お店をのぞく度に新しい花が増えていて
思わず腰をかがめて覗き込んでしまいます