風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

柿熟す勢い帳尻合わせかな 【季語:柿】

2018年10月27日 | 俳句:秋 植物
布団から起きだして窓を開けると
その日は曇り空の
随分と寒い朝でした

服の隙間から入り込んでくる冷気に
少し身を固くして電車に乗り込み
なにげなく流れて行く
窓の外を眺めていたら

昨日までは
気がつかなかったのですが
枝にぶら下がる柿の実が
随分と赤い色をしていました

今日の寒さに
早く熟さなければと慌てさせられて
その色を一気に赤くしたようで
日々に深まる秋を感ていじました

実南天ついばむ食事の美しさ 【季語:実南天】

2018年10月20日 | 俳句:秋 植物
肌寒い午後でした
道を歩いていたら
南天が赤い実をつけていました

まわりが色を無くす中で
南天の実はひときわ目立って見えました

その色に誘われるのは
人間だけではないようです
見ていたら小鳥が寄ってきて
その実をついばんで行きました

小鳥にとっては食べるものも少なくなって
必死の食事なのでしょうが

真っ赤な実を大切そうについばむその食事が
普段必要以上に食べつづけている自分を省みたとき
とても美しいものに思えて
少し恥ずかしささえ感じられました

岩叩く波ひっそりと秋夕べ 【季語:秋夕べ】

2018年10月13日 | 俳句:秋 時候
塩釜から松島に遊覧船で渡りました

船上からは
たくさんの島が見えたのですが

島々は長い間に
波が削られてそれぞれに
特徴のある形をしていました

時は夕暮れ
船の側面に当たる漣の上を
夕日が照らしています

その夕日の色合いに
諌められたように

島を叩く波もひっそりとして
島がこれ以上形を変えないように
心を砕いているようにも見えました

目に老いを感じる年の秋刀魚かな 【季語:秋刀魚】

2018年10月06日 | 俳句:秋 動物
先日新秋刀魚を口にしました
もうそんな時分になったのかと驚くばかりです

ここのところは
パソコンの見すぎか
眼鏡のフレームがゆがんでいるせいでしょうか
文字等が見難いことがあります

もしかすると老眼とも思ったりしながら
それを否定している自分がいます

秋刀魚を口にしていたら
そんな自分の上にまた
季節が重ねられているのだなとしみじみ思えて
味わい深いものがありました