風のささやき 俳句のblog

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枯葉踏む悔い染む音に聞こえてる 【季語:枯葉】

2015年11月22日 | 俳句:冬 植物
ここのところ
掃いても掃いてもなくならない枯葉で
道が覆われています
その上をゆっくりと歩くのですが
歩くたびに足元から小さな音がします
晴れた日が続いているので
枯葉は乾いた音を立てます

歩くたびに指先に触る冷たい風
何時の間にか訪れた秋も
もう行ってしまおうとすることに
季節の移り変わりの速さを思い

枯葉を踏む音さえ
後悔に似た思いを運び
胸に沁み渡ります

落ち葉かと思えば蝶の驚きよ 【季語:落葉】

2015年11月15日 | 俳句:冬 植物
少し前のことです
色とりどりの落ち葉が
鮮やかな道を一人歩いていました
見上げれば
黄色く染まった銀杏は
休むことなく葉を落とし
風がそんな枯葉を見えない糸で引くように
音を立てながらどこかへ運んで行きます

そんな様子を見ながら歩を進めていたのですが
急に足元から一枚の葉が飛び立ちました

落ち葉かと思っていたものは
身を潜めた白い蝶でした
どこか力ない羽ばたきの白い羽

こんな冷たい空の下
一体どこへ飛んで行くのだろうと
消えていくその姿を見ていました

影ふみの影しおらしく秋の午後 【季語:秋】

2015年11月01日 | 俳句:秋 時候
心地よく晴れた秋の午後でした
その穏やかさを楽しみながら
ゆっくりと道を歩いていた僕を
小学生ぐらいの男の子が二人
追い越していきました
二人はお互いの影を踏みあうように
追いかけたり逃げたりを
繰り返していました

きっと影ふみをしていたのでしょう
楽しそうに息を切らしていたのですが
その足元から伸びる影を見ていたら
色なき秋の風に
どこか透き通っているようで

二人もそんな色合いに
興味を覚えたのかななどと
思っていました