駅の階段から見下ろせる小さな空き地
少し前までは何かがあったはずなのですが
それがすっかりと思い出せません
僕の記憶も当てになりません
ここの所、自信を持ってもの覚えが悪いと開き直れます
その空き地は春になり自然と緑に覆われて
その中に幾つかのタンポポが花を開いていました
猫の額ほどの小さな緑の空き地に
映えるタンポポの黄色
草の緑だけであれば、きっと立体感のない
のっぺりとした感じになっしまうのでしょうが
いいアクセントとなって
雑草の緑を引き立てていました
駅の階段から見下ろせる小さな空き地
少し前までは何かがあったはずなのですが
それがすっかりと思い出せません
僕の記憶も当てになりません
ここの所、自信を持ってもの覚えが悪いと開き直れます
その空き地は春になり自然と緑に覆われて
その中に幾つかのタンポポが花を開いていました
猫の額ほどの小さな緑の空き地に
映えるタンポポの黄色
草の緑だけであれば、きっと立体感のない
のっぺりとした感じになっしまうのでしょうが
いいアクセントとなって
雑草の緑を引き立てていました
いつものように
地下鉄の駅で降りて階段を上ろうと
出口の先を見上げました
するとどこかジメジメと感じられる
地下の暗さとは対照的な
明るい春の光景がありました
そうしてその明るさに
色を添えるような街路樹の新芽
寒い時分は地下鉄の通路もその階段の先も
代わり映えのしない薄暗さだったのですが
今は光の量の違いに
思わず目を逸らしてしまうほどでした
花見と言えばそれを嫌がる人も少なく
誰かを誘い出すための良い口実です
ちょうど花盛りの頃
誘いたい人に声をかけて
その手を無理に取って連れ出した覚えもあります
桜はその無理強いも許してもらえる程に
見事に咲いていて心にも艶やかで
強引で図々しいという印象を和らげてくれました
もっともそれがいつも
通じる手ではないのでしょうが
通勤途中のことです
靴の紐が解けていることに気が付きました
踏んで転んでしまそうだったので
結び直そうと思ったのですが
ちょっと先には花盛りの桜の木が一本あり
そこまで行ってからにしようと
足元に注意して歩きました
そうして桜の花の下まで行くと
根元の方で紐を結び直しながら
頭の上の桜を眺めていました
街角の花屋さんで
カスミソウを見かけました
いつ見ても可愛らしい花です
鉢植えのカスミソウで
その後、ベランダに置かれて
僕が水やりをしていたのですが
一つ一つの花というよりも
寄り添って咲いている様子が
可愛らしくありました
花は人の心を和ませてくれて
いらいらとしがちな心には
ありがたいですね
木が芽吹き
自転車で走ったりしていると
若々しい色をして目を楽しませてくれます
芽立ちの時分の
木々の姿はとてもいじらしく見えます
きっと僕よりも長く生きている
老木も多いと思うのですが
いつまでも健気さと若さを失わず
自分も見習わなければいけないなと
木々を見上げます
家の周りで咲いていた躑躅
綺麗に刈り込まれていて
小さな紅の花が咲き誇る姿が
まるで紅の四角の箱のようで
その見事な様子に
思わず足を止めてしまいました
ほんのひと時
躑躅が見せてくれる華やかな姿
また来年も会いたいものです
藤棚の下に、高齢のご夫婦が座って
何やら楽しそうに話をしていました
天気の良い日だったので
藤棚の下の日陰に入って
休んでいだのでしょう
きっと、仲良く過ごされてきたのでしょうね
話す話題にも尽きないのでしょう
風も穏やかで心地よく
二人を遠巻きに包むようでした
自分もそんな二人を
見習いたいなと思っていました
夢の中で桜の花が舞っていました
華やかなその桜吹雪の中に
一人で佇んで
景色に見入っていました
どれぐらいしてからでしょうか
その花吹雪の中から
人影が現れました
昔はよく顔を見合わせていた
懐かしい人たち
その人たちと会って
久しぶりと会話を交わす夢でした
それだけの夢なのに
目を覚ますとどこか胸のあたりも温かく
もう一度目をとじて
その夢に浸ろうとしました
# 2020 春に
茶色に変色して
枯れてしまったのかなと思っていた苔から
急に艶やかな緑が伸びてきました
何種類かの苔を
同じ鉢植えで育てているのですが
生育の差はあれ
どれも新しい緑が顔を出して
賑やかに見えます
普段は目立たない苔の世界でも
季節の移ろいが見られるとは
面白いものだなと思います
ここの所は
毎日のようにじっと苔の鉢をのぞき込んいるので
家族から変な目で見られます
# 2020 春に