いつも通る道で
柵にまとわりついているつる草が
気づかぬうちにとても長く伸びていました
柔らかな緑の新しい葉をいくつもつけて
それは、初夏の風が草の先を軽くつまんで
あっという間に引き伸ばした
そんな印象を与えるほどの成長ぶりでした
柵にまとわりついているつる草が
気づかぬうちにとても長く伸びていました
柔らかな緑の新しい葉をいくつもつけて
それは、初夏の風が草の先を軽くつまんで
あっという間に引き伸ばした
そんな印象を与えるほどの成長ぶりでした
とある朝の駅
電車を待つ列に並んだら
目に光るものが届きました
何だろうと顔を向けると
教会の屋根の十字架が
夏の陽射しを集めています
普段は見落としている十字架が
夏の光に力を与えられて明るみ
目をつぶっても
瞼の裏に焼き付いて
暗闇の中に赤々と点っていました