風のささやき 俳句のblog

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くすぐれば今にも開く木の芽かな【季語:木の芽】

2018年02月24日 | 俳句:春 植物

まだ裸のままの木立が並ぶ通りでした
木々の合間に見る空は穏やかな青で
のんびりとした雲を浮かべています

風も随分と暖かく感じられて
着込みすぎている自分が
間抜けに思えていました

枝の先には膨らんだ木の芽
いっせいに空に
伸びてゆこうとする勢いが閉じ込められて
むずがゆそうに見えます
くすぐればすぐにでも開きそうです

けれどその役割は
木々を渡る風に任せて
僕はまた通りを歩き始めました


傘差す手役目を嫌がる寒戻り 【季語:寒戻り】

2018年02月17日 | 俳句:春 時候
雨の降る
気温の上がらない日のことでした

それまでが暖かかったせいか
しとしとと降る雨は
とても冷たく思えました

一番その雨を嫌がっていたのは
傘を持つ方の手

ちょっとしびれたような感覚を覚えながら
体の他の部分を守るために
一人だけ寒さの中に捧げられ
不平不満を覚えたように赤くなっていました

立春や布団の上で子と相撲 【季語:立春】

2018年02月10日 | 俳句:春 時候
この前5歳になる甥が
遊びに来ました

サッカーが趣味ということで
毎日走り回っているらしく
とにかく体を動かすことが好きです

そんな自分の力を試してみたいのでしょうか
一緒に遊んでいるうちに
相撲をとろうということになりました

当然
本気でやったら僕が勝つのですが
わざと負けてあげました
その時の誇らしげな甥の顔を見て嬉しくなっていました

トンネルの出口眩しき雪景色 【季語:雪景色】

2018年02月03日 | 俳句:冬 天文
秋田に向うために
東北道をバスで走っていました

辺り一面は真っ白な雪景色
そうして暫く走っていると
雲の切れ間に入ったようで
空には太陽が現れ
雪の照り返しが目に眩しく
目を細めざるを得ませんでした

そんな眩しさを避けるように
バスはタイミングよくトンネルに入り
薄暗い闇の中をしばらく走っていたのですが
やがて出口が近づくと
さっき以上の眩しさが迫ってきます

バスが外に出た瞬間
目をつむってしまった僕でした