風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

暮易し濃墨ひと筆雲ばかり【季語:暮易し】

2024年11月30日 | 俳句:冬 時候

大分早い時間に日が暮れて行きます

時計を見るとまだこんな時間なのにと
その空の暗さに驚かされたりします

先日もバスで帰ってくる時に
冬の夕暮れの暗い感じに
心が重く感じられました

空には濃い墨で一筆に描いたような
真っ直ぐで黒い雲の群れ
その色合いには体が凍え
身震いを一つ感じるほどでした


昨日まで半袖を着て強がった子供が寒いと弱音吐く朝【短歌】

2024年11月26日 | 短歌

冬になったというのに
半そで、半ズボンで学校に行っていた三男

まわりが心配して上着を着ろと言うのですが
大丈夫、暑いからと言うことを聞きません

その日の朝は天気予報でも
随分と冷え込みますとの話し

三男にも着込むように注意をしたのですが
結局、いつものように強気で外に出ました
念のための薄手のジャンバーを持たせていたのですが

外に出るなり寒いといって
あっさりとそのジャンパーを来ました

根性無しめと思いつつも確かに
元気な子供も寒いと思わせるような
冷たい風吹く朝のことでした


大北風や乱舞の葉の色交差点【季語:大北風】

2024年11月23日 | 俳句:秋 天文

その日は随分と強い風が吹いていました
それでも天気は良く
雲一つない空がありました

昼前に出かける用事があったので
上着を着て歩いたのですが
木から離れた色とりどりの枯葉が
その風に忙しそうに
道路を行き来しています

ちょうど横断歩道を渡ろうと信号待ちをしている
また強い風が吹いてきて
道路の枯葉が勢いよく空に舞い上がりました
大きな手が枯葉をつかんで
空から一挙に落としたような
なかなか見事な光景でした

そうしてそこに一台の車が
突っ込んでいきました
どんな光景が見えたのだろうと
ちょっと運転を変わりたい気分でいたのですが

そうして枯葉は風に舞い上げられたり
叩きつけられたりしながら
何処かへと運ばれていきました


風に舞う枯葉のようで僕の歌手を離れれば風のみぞ知る【短歌】

2024年11月19日 | 短歌

風に舞う枯葉
道を掃除している人にも出会うので
一部は焼却炉にまわるのでしょうが
ほとんどは風に吹かれていなくなり
知らぬ間に消えてゆきます

そんな行方知らずの枯葉にも似て
僕の書いた詩も一度手を離れれば何処かへと
枯葉に重なります

一度ぐらいは人の手に
拾い上げてもらえれば嬉しいのですが
それは贅沢な希望なのでしょう

枯葉に自分の詩を見るようで
風に吹かれて道の上を転げる
その行方を目で追ってしまいます


冬に入る重機の姿気概なし【季語:冬】

2024年11月16日 | 俳句:冬 時候

職場の側で工事が続いてます
大きなビルを建てるらしく
背の高いクレーン車やらが運び込まれて
見ていてもなかなか壮大な眺めです

その物音もつい最近までは
うるさい位に耳にまとわりついてきたのですが
寒くなって来てからは
どこか物静かで力なく聞こえます

今までの元気はどうしたんだと
ちょっとハッパをかけたいぐらいです

冬場の外での作業は身に沁みますものね
何となく気持ちも分かり
その重機の姿に合わせるように
僕も身を縮こまらせます


笑い転げる【詩】

2024年11月14日 | 

「笑い転げる」

本当に、笑い転げるとはこのことだ
布団の上で、大笑いして腹を押さえて
転げまわっている三男

夜遅くなって、余計に興奮して面白くなったらしい
何一つ、僕には面白く感じられない
兄の言葉に、笑いが止まらない
そのうち、見ている僕まで、笑いが伝染する
笑いをこらえて止められず、涙が出てくる

子供は良く笑う、人は笑うことが好きだ
けれど人に毒づく嗤いは
紙やすりで削られたように胸がひりつくから
止めておこう

時として嫌なことばかり
笑い顔を、忘れてしまうこともあるけれど
しおれた顔にも、やがて花咲くような
笑顔を取り戻せるから
笑ってみせよう、力なくでも、鏡の前でも

笑いは消えて行く、カワセミの一瞬の
羽ばたきのような、採光を残して
笑いと笑いとで、継がれる生活の断片は
だから、全体を見れば、輝いて見えるのかも知れない

良く笑う子供よ、今のうちにたっぷりと
素直に笑うことを、身につけておくと良い
君の中に深く笑いを根付かせよ
最後には笑い飛ばすこと、知っていると強い


干渉がそんな好きなの暇つぶす余裕あるなら襟元ただせば【短歌】

2024年11月12日 | 短歌

色々と助言が好きな人がいます

人の事は冷静にみられるので良く分かるのか
色々と助言をくれるのですが
実際その人が言うほど立派な行いをしているかと言うと
必ずしもそうは感じられずに

人の事をとやかく言う前に
自分の襟元を正せばいいのにと思います

その助言も心には届かずに
単なる暇つぶしなのではと疑ってしまいます

助言をくれるのであれば
親身になって
その人自身も努力した上で
言葉をかけて欲しいものです


丁寧な仕事干し柿待つ人に【季語:干し柿】

2024年11月09日 | 俳句:冬 人事

先日、秋田に出かけた時のこと

車で走っていたら
幾つかの家の軒先に柿が干されていました
東京ではなかなか見かけない代物
昔ながらの風景に
少し心が温まる思いでした

干し柿を作るには
大変な手間がかかるもの
子供のころ田舎の祖母が
皮をむいたりする姿を見て
大変だなと思っていたのですが

その手間をかけても
それを食べたいと待っている人がいるので
頑張ることができたのでしょう

きっと軒先に並んでいた干し柿も
それを楽しみ待つ人がいるのでしょう
一目見て丁寧な仕事で美味しそうでした