風のささやき 俳句のblog

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ずわい蟹鍋奉行で箸上げたまま 【季語:ずわい蟹】

2022年12月31日 | 俳句:冬 動物
ずわい蟹をいただき
喜んだ子供たち

早速、蟹鍋となりました
普段はそんなに食べることができない蟹
美味しそうに食べる子供たちの姿を見て
こちらも楽しくなったので良かったのですが

鍋奉行をしていた僕は
蟹を鍋に入れては
喧嘩にならないように子供たちに分け与え
ずっと蟹がなくなるまで
その作業を続けていました

あっという間に蟹を食べつくして
僕の出番も終わり

後はゆっくりと
鍋に残った物を突っついていました

冬の思い 【詩】

2022年12月29日 | 

「冬の思い」

# 1

いつからか 雪は降り
ボタン雪となって 終わりなく続いた
幼いときに見た 夢の続き
真っ白な舞台の 一夜限りのおとぎ話
声無き 影絵の始まりのように

ストーブの前の椅子 赤い毛布をかけて
あなたは眠ってしまった いつの間にか 
本降りの雪の 様子など知らず
さっきまであんなに はしゃいでいたのに

# 2

雪はどんな祈りを 心の真ん中に埋め
降りてくるのだろう 長い長い旅路を
巡礼者のように 敬虔に
壊れやすい結晶の 姿をして

時折は この部屋の灯りに
誘われるものもいて
窓辺に顔を寄せては
透明なガラスに張りついて

とけていく せつなさ
まじわれない せつなさ
―雪は どんな祈りを僕に
 捧げに来たのだろう

# 3

やがて大地は 祈りの言葉で
満たされて 静寂を増す

明日の朝になれば 大地から
きっと消える雪は 遠い夢物語として
かなわない祈りは 空に帰り
また降る時を 待つのだろう

# 4

雪の降るよりも 微かな吐息で
まどろむ あなたの頭に
僕はそっと 頬を寄せる
溶けることなく 温もり伝わるあなたに
さわれることの うれしさ
きえてしまわない たしかさ

胸に湧く言葉を
綺麗な結晶にみがき
あなたに届けたいと
ささやく雪を 真似たくて
静かに 窓の外に 耳を澄ませた


年越しの冬の星座のそっといて静かだ、数多の思い寄せても 【短歌】

2022年12月27日 | 短歌
空を見ると冬の星座が
ひっそりと空を飾っていました

ただ静かで、僕が語り掛けても
黙っているだけです

どれぐらいの人が星座を見ながら
他人には語れない胸の内を伝えるのだろうと
そんなことを思いました

自分もその内の一人
けれど星座は黙ってそれを聞くだけで
騒ぐこともありません

ただ静かに見守ってくれるので
思いを語れるのかも知れません

クリスマス・ソング占拠すラジオ局 【季語:クリスマス・ソング】

2022年12月24日 | 俳句:冬 宗教
床屋に出かけたら
ラジオからクリスマス・ソングが流れていました

それが僕の散髪が終わるまで
延々と続いていました

きっとどこのラジオ局でも同じ
チャンネルを変えても
クリスマスの話題一色なのでしょう

それが終われば今度は一挙に
お正月モードになるのでしょうが

冬の日 【詩】

2022年12月22日 | 

「冬の日」

# 1

冬の朝
寒さ湛える外気に
風景は人の吐く息で白い

朝日はまだゆっくりと
山並みの稜線に
空に昇ることを
億劫がっているようで

冷たい水を一口含んで冬の朝
かじかむ手を擦りながら
いつもの駅へ向かう
足どりが運ぶ僕の心は
眠たい毎日に鈍り
寒さは無用の長物と感じている

# 2

針山となった街路樹の通りを
四角いバスは走る
ぎっしりと人を
その体の中に詰め込んで
時々急ブレーキで驚かせ

うつむいて上がる駅の階段
ホームは騒然とした
人の声 電車の到着する音
発車ベル ため息にも満ちて
僕はまた朝からけだるく疲れている

# 3

寒々とした毎日を
当たり前のものとして
受け入れる僕の心は
悲しみも喜びもなく
なんの痛みも感じなくなって

冬の朝
空だけが晴れ上がって
ああ 美しい


お汁粉でお腹いっぱい子供らはうたた寝、炬燵、ほのぼの温もる 【短歌】

2022年12月20日 | 短歌
休日の午後
小腹が空いた子供たちは
インスタントのお汁粉を作って食べていました

そうして炬燵に入り
テレビを見ているうちに
みんな眠ってしまいました

窓辺には冬の午後の穏やかな陽ざし

お腹いっぱいの幸せと
皆でいることの安心感と楽しさとの
微笑ましい昼寝

起こさぬように
みんなの寝顔を眺めました

焼鳥屋そろそろ今年の憂さ晴らし 【季語:焼鳥屋】

2022年12月17日 | 俳句:冬 人事
仲の良い友人と飲みに行きました

お互いの予定を考えると
恐らく今年会えるのも最後

一緒に出かけた温泉の話やら
あっという間に過ぎた一年の出来事を
二人で振り返りながら酒を酌み交わしました

日記を読み返すと
毎日色々とやっているのですが
体感的にはあっという間の一年でした

大木の詩 【詩】

2022年12月15日 | 

「大木の詩」

# 1

太陽が 僕の上にある
陽射しが 降り注いでくる
すべてが 僕の栄養

僕はたくさんの 枝を伸ばし
葉をひろげる
風を掴んで 膨らむ

静かな水を湛えるように
透明に潤む空
その澄み渡る 湖に身を浸そうと
心 高鳴らせ あこがれのまま
力の限りに 梢を伸ばす


# 2

自由に空を満喫する
白い雲は ここまでおいでよと告げる
絶え間ない 呼びかけ

僕の体を 巡る樹液は
雲が絞った 雨の恵み
大地を貫く 根を駆け上がる
伸びること止めない 枝の先
一枚一枚の 葉の管へと

葉っぱが 笑い
ざわめくのは
風との会話が
楽しすぎるから


# 3

足早に 一日は過ぎて
いつしか顔をかえて 空は夕暮れ
僕は蝋燭よりも 赤く燃え立ち
訪れる夜の 道標となる

一番星 二番星と
月も憩う 星月夜
星々の会話に 聞き入ること
それは僕を深めて行く 知恵

そして時は今 秋を迎えて
玲瓏な風が 年輪を重ねる
季節だと告げる


# 4

過ぎたひととせの 想いを全て身に宿し
去り行く葉の あるだけを落とし尽くして
深く自分の中に 潜り込む僕は

身じろぎもせずに 体に力を漲らせ 冬に立つ
どこまでも高みを目指し 青空に捧げられた
一つの 祈りの 形象として


色なくす冬の風景、蝋燭のように点りぬ、老い木の緋色 【短歌】

2022年12月13日 | 短歌
冬の風景は
彩り鮮やかな色彩をなくして
どこか灰色の印象を受けます

それが余計に冬を
肌寒く感じさせるのかも知れませんが

そんな冬景色に
灯りをともすように
色づいた一本の木
鮮やかな緋色で
あたりも照らされるよう

燃え立つようにも見えて
そこだけ風景が温もりを持って
感じられました

風疼く逃がす植木の狭き部屋 【季語:風疼く】

2022年12月10日 | 俳句:冬 天文
少し暖かな日が続いたので
鉢植えをベランダに出して
水を上げたりしていたのですが

また風が冷たく感じられてきたので
家の中に鉢植えを入れました

ただでさえ物の多い家の中
置場所にも困るのですが
霜でもたったら可哀想だなと思い
避難させたものです

以前はベランダ一杯に鉢植えがあったのですが
上手く面倒が見れずに
少なくなってしまいました

せめて残った鉢植えは
大切にしなければと過保護にしています