風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

北国や一足飛びに秋の顔 【季語:秋】

2024年09月28日 | 俳句:秋 時候

秋田に子供たちを迎えに行った時のこと

東京と違い北国はもう
一足先に秋の風が吹いていました
夜には虫も鳴いていて
風も少し肌寒く感じられたほどです

それに遅れてですが
東京でも随分と秋らしい日差しを感じる機会が増えました

暑いと窓を開けて寝ていたのに
今は窓を閉めて寝ています

足早な季節の移り変わりを感じています


夜行性の人【詩】

2024年09月26日 | 

「夜行性の人」

見事に昼と夜とを、逆転させてしまった長男
お昼過ぎなのに、まだ起きてこない
お昼だからと呼ぶ、食事の誘惑にも負けずに
まだ布団の中で眠り続けている

声をかけると目を開けて、反応はするのだが
まだ眠り足りないらしい
昨晩も夜遅くまで、眠らずに起きていたから

昨日は、歯が痛んだこともあって
確かに眠れなかったこともあり同情はするが
すっかりと夜行性の、生き物の世界の住民になっている

夜にいつまでも起きていて、テレビで何をやっているのか
夜の香り、静寂にどんな音が響くか、闇の先に何があるのか
子供には、興味があることかも知れない

それを一人、自分で過ごし、やがて朝が現れること
その朝日に浴すること、闇の底を抜けることは
きっとそう言うことであると、自分の体で感じること
何事も、体験の部分ではあるが
ここの所は行き過ぎだから、ちょっと注意しよう


秋の夜や毛布にくるまる蓑虫か三匹川の字その間に眠る 【短歌】

2024年09月24日 | 短歌

朝夕が大分肌寒くなってきました

いつもの如く夜遅くまで眠らない三男を
眠らせようと一緒に眠っていました
本当は一番早く眠らせたいのですが
夜になるとハイテンションになって
子供たちの中で一番遅くまで起きています

俺、夜行性だからと言うので
昼に生活をしろと怒るのですが
それを聞いてゲラゲラと笑っていたりします

特に週末は遅いことが多く
その日も11時を過ぎていました

声を出さずに静かにしていると
やがて静かな寝息が聞こえてきました
ようやく寝たようです

それを確かめようと枕元のスタンドの灯りををつけると
毛布にくるまって首だけ出している三男の姿
まるで首だけを出している蓑虫のように見えました

そうしてその向こうには
同じような姿で寝ている長男と次男も

僕はその三人に挟まれて
窮屈な思いをしながら眠りにつきました


虫の音と添い寝する子の寝息かな 【季語:虫】

2024年09月21日 | 俳句:秋 動物

夜に早く帰り
子供たちと一緒に眠ることにしました

上の二人はまた騒いで笑い
一番早く眠らせたい三男が眠れません

仕方が無いので別の部屋に三男を連れて行き
眠ることにしました

三男が暑いというので窓を開けると
月の光と虫の声が部屋に届きました

遠くではまだ長男と次男がバカ騒ぎ
うるさいねと話をしていたのですが

やがてその声も静かになり
三男も眠りにつきました

窓の外に聞こえる虫の音と
耳元の子供の寝息を聞きながら
いつの間にか僕も深い眠りに落ちていました


思うほど、僕苦しめるもの、少ないよ 人苦しめるほど、皆、暇なし 【短歌】

2024年09月17日 | 短歌

若い頃には人目が気になり
外を歩くのも苦痛に思うような時がありました

人が僕に悪意を持っていて
痛めつけようと向かってくるような感覚

けれど段々と年を重ねると
そんな悪意は結構少なくて
それ以上に、皆が自分のことで苦しんでいて
人に対して悪意を向ける余裕も
あまりないことを感じるようになりました

もちろん、そんな自分を持て余して
人に攻撃を向ける人も少なくはないのですが

ある意味、僕が思っている以上に
人は僕には関心が無いと言うこと
それを感じるだけで、心が少し楽になる気もします

人の目にがんじがらめにされて
動けなくっていた心が一息をつきます

自分を苦しめるものは
人ではなくて自分の考えや認識であることが多いですね
でもそれが素直に納得できるまでには
きっと時間も必要なのですが


身にしみて夕べの窓閉じ二度寝する 【季語:身にしみて】

2024年09月14日 | 俳句:秋 時候

窓を開けて昼寝をしていました
心地よく風が吹いてくるので
半分は目が覚めていたのですが
いつまでもだらだらと横になっていました

けれどさすがに夕方近くになると
風も冷たさを増して
体が冷えてくる感覚を覚えました

それでもだらだらと
布団に横になっていたのですが
ついに耐え切れずに起きだして
窓を閉めて毛布を出してくるまりました


宵の道出くわす野鳥の案内人「あら」と声出る逃げぬ後追う 【短歌】

2024年09月10日 | 短歌

賑やかな街を歩いていました
目的の場所に行こうと
ちょっと細い路地裏を通ると

目の前に可愛い野鳥が道路の上を歩いていました
思いがけない出会いに
鳥好きの僕は
思わず「あら」と声を出してしまいました

その鳥は初めて見る黄色を中心とした綺麗な鳥でした
その後、ネットで調べてみたのですが
一瞬の記憶もあやふやになっていて
これだと言い切れる鳥の名前は見つけられませんでした

その可愛らしい鳥は
近くに寄っても逃げることなく
僕の前をちょこちょこと歩いて行きます

僕は道案内人を得たように
その後を静かについていきました


颱風は過ぎそれぞれの用に立つ 【季語:颱風】

2024年09月07日 | 俳句:秋 天文

台風に直撃された日
テレワークだったので
一日、家の中で過ごしながら
時々、窓の外を眺めていました

途中、風も強くなり
台風が来ていることは感じられたのですが
家の周りでは
思った以上に激しくはならずに過ぎて行きました

次の日に自転車で出かけると
もう台風の気配もありませんでした