夜、眠れずに考え事をしていました
思いはあちらこちらに及んで
あの世のことなども考えていました
目をつむって
その場所を想像をしてみるのですが
暗い道が、暗闇に続くばかりです
道の両側に時々
篝火のような赤いほの明かり
そうして道に沿うように咲いている曼殊沙華
夜の闇の中の想像は止めるものもなく
何処までも膨らんで
余計に頭も冴えてしまい
明日の朝のことを思うと憂鬱になりました
夜、眠れずに考え事をしていました
思いはあちらこちらに及んで
あの世のことなども考えていました
目をつむって
その場所を想像をしてみるのですが
暗い道が、暗闇に続くばかりです
道の両側に時々
篝火のような赤いほの明かり
そうして道に沿うように咲いている曼殊沙華
夜の闇の中の想像は止めるものもなく
何処までも膨らんで
余計に頭も冴えてしまい
明日の朝のことを思うと憂鬱になりました
一日の出来事を終えて
家に帰る夕暮れどき
少しほっとする心に
夕日の穏やかな色合いが染みてきました
そうしてどこか人恋しく思われて
家に帰ると大切な人が
待っていてくれたらいいなと思いました
けれど今は叶わぬ望み
胸に湧く寂しさは
愛しさを覚えたからかしらと
人を慕うことの嬉しさと寂しさを二つ
心に感じていました
秋のお彼岸に
子供たちと家でお供え物を供えたり
お線香をあげたりしました
晴れ間には
涼しく澄んだ風が吹いて
まるで、あちらの世界で
磨かれて綺麗になった魂が
その風に乗っているような
感覚を覚えました
水面を眺めていたら
何やらレジ袋のようなものが浮いていて
誰かが捨てたものかなと思ったのですが
よく見ると海藻でした
ずっとそこで洗われ続けて
色をなくしてしまったようです
ただ力なく波に漂い
色を失っていくその様子が
投げやりになった時の
心の様に似ているようで
時折は全てがどうでも良いやと思えてくる心は
戒めなければいけないなと思いました
朝、駅で電車を待っていました
見上げると
空をキャンパスにすじ雲が模様を描いていました
その模様がどこか歌舞伎の隈取りのように見えてきて
眉をしかめて、怖い顔で
僕を睨んでいるようにも見えました
何か悪いことでもしたかしらと
少し居心地が悪くなって
それから目をそらして
入ってきた電車に乗り込んだ僕でした
蝉が大きな声で鳴いていました
しつこいぐらいなのですが
まるで自分たちの声を
残そうとでもするかのよう
やがて夏が過ぎれば
その声もなかったもののように
止んでしまうのでしょう
それなのに懸命に鳴く蝉の声は
どこか切なくも思えて
胸に響くものがありました
河原を歩いた時に
月見草をいただいてきました
そうして、一輪挿しに挿しました
その日
嫌なこともあって
気分がすぐれなかったので
その月見草に小言を
聞いてもらいました
月見草は黙って聞いてくれるので
良い相手
ひとしきり小言を言ったら
すっきりして眠った僕でした