汗ばむような初夏のお昼どき
混雑した電車に腰をかけたのですが
電車はどこか重たげで
レールの振動が伝わってきました
そうしてブレーキを踏む
高い音を二度、三度とたて
スピードを落としました
初夏の陽射しを
走るようになって日も浅く
慣れない電車もへたり気味なのかなと
思いました
汗ばむような初夏のお昼どき
混雑した電車に腰をかけたのですが
電車はどこか重たげで
レールの振動が伝わってきました
そうしてブレーキを踏む
高い音を二度、三度とたて
スピードを落としました
初夏の陽射しを
走るようになって日も浅く
慣れない電車もへたり気味なのかなと
思いました
首輪をつけられていない子犬が
男の人の後を追いかけていました
楽しそうに走り回っていたのですが
やがて疲れたのか歩き出し
色を濃くした木陰に入ると
這いつくばって
そこから動かなくなりました
その日は前日の雨が
嘘のように晴れ上がり
雲一つない晴天
陽射しも強く
子犬の体には
急激過ぎる変化だったのでしょうか
あるいは木陰に吹く心地よい風を
楽しんでいたのかも知れません
田植えに向けて水を張った
水田の畦道を歩きました
たっぷりと張られた水には
初夏の風が触れて
小さなさざなみが立ちます
中をのぞくと
水をはったばかりだからでしょうか
生き物の姿は見られなかったのですが
静かな空の青さが
植えられる苗に必要な養分を
注ぎ込んでいるように見えました
(Haiku)
Mirrored sky, azure,
Rice paddy, awaiting touch,
Hopes for harvest’s gold.