風のささやき 俳句のblog

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人混みの初夏の電車のへたり気味 【季語:初夏】

2015年05月30日 | 俳句:夏 時候

汗ばむような初夏のお昼どき
混雑した電車に腰をかけたのですが

電車はどこか重たげで
レールの振動が伝わってきました
そうしてブレーキを踏む
高い音を二度、三度とたて
スピードを落としました

初夏の陽射しを
走るようになって日も浅く
慣れない電車もへたり気味なのかなと
思いました


夏めいて木陰にへたる子犬かな 【季語:夏めく】

2015年05月23日 | 俳句:夏 時候

首輪をつけられていない子犬が
男の人の後を追いかけていました

楽しそうに走り回っていたのですが
やがて疲れたのか歩き出し

色を濃くした木陰に入ると
這いつくばって
そこから動かなくなりました

その日は前日の雨が
嘘のように晴れ上がり
雲一つない晴天

陽射しも強く
子犬の体には
急激過ぎる変化だったのでしょうか

あるいは木陰に吹く心地よい風を
楽しんでいたのかも知れません


田植まで水青く待つ田んぼかな 【季語:田植】

2015年05月16日 | 俳句:夏 地理

田植えに向けて水を張った
水田の畦道を歩きました

たっぷりと張られた水には
初夏の風が触れて
小さなさざなみが立ちます

中をのぞくと
水をはったばかりだからでしょうか
生き物の姿は見られなかったのですが

静かな空の青さが
植えられる苗に必要な養分を
注ぎ込んでいるように見えました

(Haiku)
Mirrored sky, azure,
Rice paddy, awaiting touch,
Hopes for harvest’s gold.


空き区画独り占めしたひめじょおん 【季語:ひめじゅおん】

2015年05月09日 | 俳句:夏 植物
子供を連れて散歩をしていました
ドラッグストアで買物をして
いつもは通らない道を
乳母車を押しながら歩きました

その道は住宅街の中を縫う道
随分と立派な家も多く
その度ごとに足を止めて眺めていました

そんな住宅街の一画に
何も無い空き地がありました
いつからその状態だったのでしょうか
草が伸び放題に伸びています
中でも目立つのが
たくさんのひめじょおん

その土地を独り占めして
誇らしげに見えました

空腹に食は細らぬ鯉のぼり 【季語:鯉のぼり】

2015年05月02日 | 俳句:夏 人事
子供の日も間近
電車から窓の外を眺めていたら
あちらこちらで大小の鯉のぼりが
空を泳いでいました

勢いの良いもの
少し弱々しく泳ぐもの
鯉のぼりにもいろいろな種類がいるようです

ただ、空を泳くのは随分と
体力を使うのでしょう
いずれの鯉のぼりも
お腹をすかせた様子で
いつまでも体に風を吸い込んでは
食べることに飽きないようでした