風のささやき 俳句のblog

訪問ありがとうございます
オリジナルの俳句を中心にご紹介しています
詩や短歌も掲載しています

手袋も置き忘れられ温き朝 【季語:手袋】

2016年01月30日 | 俳句:春 時候
その日は朝から
随分と暖かく感じられました

口からは白い息が漏れることもなく
いつもはコートをしっかりと重ねながら
通り過ごす風も柔らかで
自然と歩みも速くなるぐらいです

そんな穏やかさに
油断したしたのでしょうか
駅の椅子に手袋が
置き忘れられていました

手袋がなくても気にならず
そのまま電車に乗って
持ち主はもうどこかへ
行ってしまったのでしょう

今日はあまり
役に立ちそうもない手袋は
気づかれることもなく
そこに置かれたままでした

北風や戻った賀状の友いずこ 【季語:北風】

2016年01月23日 | 俳句:冬 天文
正月に出した年賀状が
宛名不明で戻ってきていました

普段はなかなか会うことのない友人
いつの間にか転移してしまったようです
年賀状の上には
「転移先不明で配達できません」の事務的な文字

一時期は仲良くしていたこともあったなと思うと
少し寂しい気持ちもしてきて
窓の外の北風に「彼がどこにいったか知らない?」と
そんなことを尋ねていました

冬の水触れるの嫌で寝起きの手 【季語:冬の水】

2016年01月16日 | 俳句:冬 地理
朝起きると
洗面所で身づくろいをするのですが
顔を洗おうと差し伸べる指先に
まず触れるのが冷たい水

それで目が覚めるといったことを
ここのところ
毎日のように繰り返しています

水の冷たさは
日に日に増していくようで
そのたびに差し出される指先も
どこかおどおどした様子

暖かなお湯も出せるのですが
それまで待つのも歯がゆく
ついつい差し出される指先は
ここのところ水を毛嫌いしています

噴水の輝くを見る松の内 【季語:松の内】

2016年01月10日 | 俳句:春 時候
晴れた日曜の午後でした
電車に乗ろうと駅に向かったのですが

駅の近くの噴水が
あまりにキラキラと輝いているので
足をとめて眺めていました

普段から陽射しを受けると
こんな風に輝くのでしょう

それに気づいたのは
正月のゆったりとした気分が
きっと僕に余裕を与えてくれたから

僕の他にもベンチに座り
噴水を見いている人がいた
穏やかな午後でした

雪化粧言い訳にする寝正月 【季語:寝正月】

2016年01月03日 | 俳句:新年 人事
以前、秋田に遊びに行った時のこと
三ケ日は連続して雪が降りました
外は雪化粧

布団の中でも底冷えがするので
布団から出たくない気持ちで一杯でした

そんなこともあり
三ケ日は炬燵に入ったりとずっと
ゴロゴロと過ごしていました

毎年、寝正月で過ごしているのですが
その時は雪が良い言い訳になりました