風のささやき 俳句のblog

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ぼうえいせん【詩】

2023年11月30日 | 

「ぼうえいせん」

ひとはどこで、ぼうえいせんを、はるのかな
ひとごとだって、わらって、へいきでいられる
さいぜんせんは、ひと、それぞれ

しかたない、かんじつづけたら
いっしょに、ないてしまう
なきつづけて、やめられなくなる


朽葉色新しい葉が色重ね大地に戻る順番を待つ 【短歌】

2023年11月28日 | 短歌

落葉散る公園を歩きました
風が吹くたびに落ちる葉に
もう丸裸になる梢が想像できました

足元を見ていたら
古い枯葉の上に新し落葉かさなり
朽ちて行こうと大地の色を真似る葉と
まだ落ちて間もない新し葉の色彩とのコントラスト

それもやがて色を失い
大地に戻っていくのでしょうね

思えば大地に降りそそぐ雨の恵みと
太陽の陽ざしと
それを養分に落葉して大地はまた豊かになる
そんな人の知恵を超えた循環の豊かさを
どんな言葉で歌えばいいのでしょうね

僕の言葉はあまりも乏しくて
ただそこにある姿を歌うばかりです
朽葉に重なる落葉の色合いに感心をしながら


ほどけ行く飛行機雲あり小春空 【季語:小春空】

2023年11月25日 | 俳句:冬 時候

海外から帰り着いたお昼時は
思った以上に温かで
肌に沁み込むような寒さをイメージしていたのですが
良い意味で肩透かしにあいました

飛行場からバスに乗り込んだのですが
車窓から見る冬の空には
二本の飛行機雲が並列で線をなし

その地上に向かっている方は
解けて行くような広がりを見せていたのですが

まるで何かの物体が
白い筋を引きながら空から墜落して
地上近くで破裂し砕けたような
そんな姿でした

そんな痕跡も飲み込んで
何事もなかったように消していく
静かな冬空がそこにありました


黄落の空は静かだすっとなる 【季語:黄落】

2023年11月18日 | 俳句:秋 植物

銀杏の街路樹が続く道を
子供と一緒に歩きました

空が淡い青色に澄んで
それを背景にして黄色い落葉が
風が吹くたびに空を舞います

美しい一枚の絵画を見ているようで
心が静かになります
沢山の人が歩いていたのですが
その姿もまるで背景の一つのように言葉もなくて

僕は一つ呼吸を吸って
胸の内が鎮まることを覚えました
すっと自分の中から何もなくなって
ただ秋の余韻に呼応するような僕でした


戸惑いも忘れ今にも吹き飛ぶよ  乾いて心 落ち葉より舞う 【短歌】

2023年11月14日 | 短歌

いつの間にか乾いてしまっている心
寂しさや楽しさもなくして
ただ軽くなって
カサカサと音を立てるだけ

自分の中に何の重石もなく
ちょっとした風にも
何処かに吹き飛ばされてしまいそうです

そのまま心を見失ってしまうことの
戸惑いさえもなくしている
今日この頃の心の様です