風のささやき 俳句のblog

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ほころべる川面にぎわし残り鴨【季語:残り鴨】

2016年03月27日 | 俳句:春 動物

川に鴨たちが漂っていました

寒さも緩み
暖かな陽気がつつむからでしょうか
川面に浮かぶことを楽しむように
ゆっくりとした泳ぎでした

季節を体で受け止める鴨は
温度の違いにも敏感なのでしょう

温もりを羽にため込んだ
その立ち振る舞いが
とても柔らかく見えました


憤る心いさめる春に会う 【季語:春】

2016年03月13日 | 俳句:春 時候
春の陽射しに肌をくすぐられると
心が少し和みます

いらいらしがちな自分の気分が
急に馬鹿らしく思えて
つきものが落ちたように
「何を怒っていたんだろう」と
正気に戻るようです

憤りが抜けた心には
様々なものが入ってきます
何気なく覗いた花屋には
春の花がたくさん並んで
僕は素直に花の色を楽しむことができました

痛む喉甘めかせてや沈丁花 【季語:沈丁花】

2016年03月06日 | 俳句:春 植物
花粉症のせいでしょうか
風邪をひいたせいでしょうか
のどの奥がひりひりと痛んでいました

それでも熱があるわけではないので
暖かな陽射しに誘われて
散歩にでかけました

通りすがりのマンションの植え込みには
沈丁花が小さな白い花を
いくつも咲かせて
甘い香りを南風の中に
惜しむことなく振りまいていました

そんな南風を
胸一杯に吸い込んでいるうちに
沈丁花の甘い香りが喉もとを
蜂蜜のように甘くして
いつの間にか痛んでいた喉の痛みも和らいでいました