風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

梅雨あがり枯骨まがいの翅一つ 【季語:梅雨あがり】

2022年07月30日 | 俳句:夏 時候
強い太陽が降り注ぐ毎日
ここぞとばかりに
薄い羽毛布団を洗って干したりと
洗濯やら掃除に勤しみました

洗濯ものを抱えてベランダに出て
欲し終わったので
植木を眺めたりしていると
甲虫類の固い上翅の部分が
半分落ちているのを見かけました

雨に随分と洗われていたのか
色も落ちてしまい
砂のような色になっていました

雨の中に命を失い
翅だけが雨にさらされ続けたのでしょうか
その翅を拾い上げて
植木の土の上に置き弔いました

君まだでベランダに出る夏の霜 【季語:夏の霜】

2022年07月23日 | 俳句:夏 天文
その日は明るい月が空に輝き
辺りも銀色に照らされていました

もうすぐに12時を回る時間になっても
仕事で遅くなっている人を
大変だなと思い待ちながら
その姿でも見えないかとベランダに出ました

すると僕も月の灯りに照らされて
銀色に染まり
辺りの静けさと一体となるようでした

懐いてや、後悔いつでも、ついてくる 振り払おうに、飼い慣らし過ぎ

2022年07月19日 | 短歌
毎日の繰り返しは怖いなと思うことがあります

ここの所は
気持ちを切り替えられるようになったのですが
もともと、くよくよするタイプの自分

後悔することが癖になっていた時には
止めようと思っても昔の失敗を思い出しては
それに囚われて、一人その中をループしていました

後悔になつかれ過ぎないように
今は、失敗しても、それを思い出さないようにしています

海辺にて 【詩】

2022年07月14日 | 

「海辺にて」

#1

夏のお昼時
空には銀の綿雲が
連なり重なり
青い空に映える

その近くにまで届こうと
時々空に向かって
飛ぶ鴎

願わくは
一度位は
僕にもその挑戦が
許されているのならば


#2

海は、浅い所と深い所で
色を変えている
深い所では青く黒ずみ、冷たい色だ

沢山の死を飲み込んでいるのか
そちらに吸い込まれそうになるし
けれど、近寄ることが怖い


#3

雲がかかると波間も陰る
陽が出ると一斉に波の上に
光が揺れ動く

どれが本当の海の貌なのか
見定めようと
その移ろう様に
目が離せないでいる


寝ない子や、布団の中で、笑い過ぎ 声漏れ、寝ろと、怒れば、笑い

2022年07月12日 | 短歌
週末は決まって夜更かしをする三男

夜起きているのが大好きな人で
次の日が休みの時には
ここぞとばかりに夜中まで起きています

早く眠れというのですが
布団の中で兄弟と話をしながら笑ったりするので

寝ろと怒ればそれが可笑しいらしく
更に笑うので質が悪いです

親が寝た後にまた起き出して
一人でテレビを見ていたりします

その分、朝が不機嫌なので
きちんとした生活をして欲しいです

風鈴や微雨に黙りて指に鳴り 【季語:風鈴】

2022年07月09日 | 俳句:夏 人事
昼間は鳴っていた風鈴が
夕方から降り出した小雨に
黙り込むように静かになってしまいました

風もほとんどなくなり
蒸し暑い夜

仕方なく窓を閉めて
クーラーをかけることにしました

その前に一つ指で風鈴を押すと
黙っていた声を取り戻したように
涼しい音を奏でました

煩わしさ 【詩】

2022年07月07日 | 

「煩わしさ」

浜昼顔の花の短さ
生はいつでも
砂上の気怠い熱病

うなされる夢
ベタベタとする潮風
耳元にへばりつく
蚊の羽音
網戸に張り付いていた銀蠅

煩わしくて
手で疎ましく
追い払う

僕が腐っていくことの
確かな予感

まだ耳元には蚊の羽音
目の上には銀蠅の姿

煩わしさが止まらない