伝えきれない言葉が沢山あります
勇気を出して言えなかった言葉
その時は言葉にならなかった言葉
改めて伝えたい言葉
そんな言葉を伝えたい人に
届ける術があればなと思います
風がそんな術をもっていればいいなと
届かぬ言葉を、ささやいてみたりします
一人遊びに過ぎないのですが
伝えきれない言葉が沢山あります
勇気を出して言えなかった言葉
その時は言葉にならなかった言葉
改めて伝えたい言葉
そんな言葉を伝えたい人に
届ける術があればなと思います
風がそんな術をもっていればいいなと
届かぬ言葉を、ささやいてみたりします
一人遊びに過ぎないのですが
今年は、金木犀の香りを楽しむ機会が
あまり多くなかった気がします
ときおり、金木犀の甘い香りに出会うと
その度に不思議と
心も柔らく感じられて
大切な人をふんわりと包む金木犀の香り
その幸せがいつまでも続くようにと
その香りに会うと思います
買い物帰りに
少し遠まわりをしました
線路沿いには沢山のコスモスが咲いていて
淡い陽ざしの中で揺れていました
当然に電車が来るとその風の勢いで揺れるのですが
そうではなくとも僅かな風にも揺れて
まるで電車を見送り過ぎて
そうしてやがて秋も去る予感に満たされて
心も籠らずにただ、別れることに慣れ
手を振り続けているように見えました
僕もそうかも知れません
沢山の別れにいつの間にか慣れてしまって
微笑みを浮かべて手を振ることに慣れて
その時々で勝手な思いを投影されて
コスモスも迷惑でしょうが
秋の夜は
とても静かに感じられます
子供たちも寝静まって
テレビの音を消したら途端に
静かになりました
少し寂しさを感じて
以前、子供たちが買った
砂時計をひっくり返してみました
その音もなくさらさらと落ちていく砂が
秋の夜長にはあっている気もして
3分ほど、砂が落ち切るのを眺めていたら
心も落ち着いていました
思い返すと様々な場面で
人から温情を受けて来たなと思います
日々はいろいろと
辛いことが続いたりもしますが
人から受けてきた優しさでとじ込めば
とても柔らかい布地になりそうです
悪いことばかりを思い返さずに
なるべく優しい糸を探すようにしています
夜遅い時間を一駅歩きました
都会は賑やかですね
駅前はまだまだお店も開いていて
賑やかだったのですが
暫く行くとシャッターを閉じたお店ばかりになり
通りも闇の支配下に置かれたようでした
その中で目の中に飛び込んできた赤い十字架
街中の教会の上に建てられたもので
思いがけない物だったこともあり
心の中に強い印象を引き起こしました
暗闇とその中で標の様に輝く十字架と
教会を後ろに歩き過ぎた後も
その十字架の印象は僕の心に
残像として強く残りました
「離れ行く毎日に」
掬ったそばから
指のすき間 こぼれる
澄んだ水のように
咲いたそばから
花びら散らす桜のように
離れる速さを
誰も引きとめられない
暗い流れに踏み入れた足を
誰も踏ん張っていられない
別れの予感を
空気のようにまとう心
深い眠りに満ち足りた目覚めも
薄手のワイングラスのように危なげで
それとはなしににじむ涙は
眠気のせいにして
だから離れてゆく手は
少しでも長く
つないでいよう
少しでも多くの
言葉をかわしたい
体の芯は霜がおりるように
冷えてゆくばかりだ
夜に寄り添いゆっくりと
あなたと歩く
その時間に暖をとる
ここにいることは
夢のように頼りない
せめて良い夢を
月明かりの下で
あなたの耳元に囁く幸せを
いつも感じている透明な
流れの岸辺にたどりつきたい
その岸辺からいつまでもあなたを見守る
ひっそりと話しかける星のように
あなたが見上げる夜空の
奥に輝き続ける光として
それぐらいでは数多の
恩返しにはならないかも知れないけれど
この場所でいつも
温もりをくれるあなたのことを
胸の真ん中に思っている
自分が風のように
何処へでも吹いて行けるのであれば
大切な人が寂しい気持ちでいたら
すぐにでも訪ねて行けるのにと思います
けれどそんな都合の良い話はなくて
その人が寂しい思いをしていないかしらと心配しながら
連絡が来ないかとスマホを何度も眺めたり
悶々として夜を過ごします