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風のささやき 俳句のblog

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オリジナルの俳句を中心にご紹介しています
詩や短歌も掲載しています

初蝉や捕獲者どもの集いかな 【季語:蝉】

2023年07月29日 | 俳句:夏 動物

蝉が鳴き始めました
その声を聞くと
早速、子供たちが網と虫かごをもって
木の間をうろうろとするようになりました

なかなか姿が見つけられないようで
親も一緒になって探しています

自分も子供の頃には
蝉を探してまわることが夏休みの日課になっていて
時代が変わっても
変わらないものもあるなと思っていました


七月の終わりに 【詩】

2023年07月27日 | 
「七月の終わりに」

暦をめくっていたら
七月ももう終りかと
窓の外広がる
青い空を眺めた

何度目の七月だったろう
むし暑い風は
薄手のカーテンの
部屋に遠慮なしに吹き込んで
冷たい一杯の麦茶などを
喉の渇きのご馳走に変える

ベランダでは白い洗濯物が
ひときわ強い日差しに触られて白く
見下ろせば公園に
笑い声を上げる沢山の子供たち

まだ夏休みは始まったばかり
宿題のことを心配する必要もなく
絵日記のページが増えてゆく毎日を
楽しみにできる
輝く瞳が可愛らしくて
何かいいことが
沢山訪れるようにと思う

アスファルトは
夏の陽射しに銀を照り返し
夕べの涼しさのために
買ってきた風鈴を早速つるす
狭い部屋の中を
短冊が赤い金魚の尾ヒレのように泳ぐ

最後の何日かでもう八月へ
遊園地にも海にも人があふれ
暦に追い立てられながら
生活を続ける僕はまた
軽いため息をつき
いつか足下をぬらした
海辺の波の新鮮な感触を
思いだそうともするのだが

夕日尽く、水平線に、夜、まじり、けど、まだ歩きたく、君と、砂浜 【短歌】

2023年07月25日 | 短歌

夏の海に遊んだ記憶を
思い出していました

穏やかな午後に浜辺を歩いたのですが
会話も穏やかで楽しく

そんな時間が終わることが勿体なくて
ずっと、日が落ちても
砂浜をこのまま歩いて行きたいと思いました

ただ、砂浜も僕らの歩みを
延々と続けさせるほど続いてはおらず
その先には行けなくなった場所で
コンクリートの階段を上りました


ドア開ける蝉鳴く圧に気圧されて 【季語:蝉】

2023年07月22日 | 俳句:夏 動物

朝出かけようとドアを開けると
何かの音が響いています

その音の正体がわからずに
工事かなと思って外に出て目を凝らしたのですが
工事などは何も行われておらず
音の正体は蝉の声でした

この時期に蝉が
こんなに大きな声で鳴いているイメージが
僕の中になかったので
少し混乱していました

住んでいるマンションの前が
子供たちも遊べる憩いの場になっていて
木も沢山植えられていて
そこに止まって鳴いていた蝉でした

一斉に蝉が羽化したのでしょうか
2~3日はそうして鳴いていた蝉たちでしたが
程なくその声も小さくなりました

この後、第二弾、第三弾があるものなのか
ちょっと楽しみです


大丈夫 【詩】

2023年07月20日 | 
「大丈夫」

夏の浜辺に、遊んでいる水着の学生
水しぶきと歓声と、かき氷のイチゴシロップ
僕は何を自分で、苦しくしているのだろう

波が足元に来て、去っていく
水平線に、入道雲が湧いている
僕は何をぽっかりと、悲しんでいるのだろう

招く手があるように、生暖かい潮風が
体を海に、招き寄せようとするけれど、動かない僕は
何を心に沈め、重たい錨、下ろしているのだろう

白い貝殻の片割れが、波と一緒に、何度も転がる
ゴムボールを追いかけた犬が、息を切らし走って行く
全てが慌ただしい、追いつけない、僕だけが
違う時間に、囚われているのではないかと思うほどに

思わず、目を細めてしまう太陽だ
日に焼けた肌を、更に焼く人もいて
小魚が海の中で、光を反射する
僕は焼き尽くされてしまうのだろうか
マッチのように燃えやすい、体をして

「大丈夫」「たいしたことはない」
と、独り言を呟く
処方箋のようにみんなが、良く使うおまじない

砂にも写し取って、自分への暗示
たいしたことはないから、大丈夫、きっと、

波はすぐさま、さらっていった

海に気軽に、捨てられればいい
潮風に破れてしまえばいい
貝殻の中に、閉じ込められてしまえばいい

心の苦さは
大丈夫ではない
たいしたことであるから

また、取り留めもなく
海に、心迷わせに来た僕だ
偶然にも波が、遠い島からの答えを
運んできていたら
拾うこともできるかも知れないと思って

知らん顔した鴎、ビーチパラソルの下の会話
投げ捨てられたビール瓶、ビーチバレーの歓声
僕が大丈夫ではない時に
君が遠くで笑っている距離が寂しさであって

転がって来た野球のボール
投げ返してあげると
ありがとうございますの、元気の良い声
浜辺に練習に来た高校生だろうか

きっと、大丈夫ではない
寂しさは、みんなが抱えて
それでも慰めの言葉を
かけあう以上のことも出来なくて

たいしたことはあるだろうけれど
きっと、大丈夫だよと
届く芯のある言葉
優しい眼差しと共に
いつしか持てる自分でありたい

線香の香り垢染む古き家ご先祖様もお茶飲む隣 【短歌】

2023年07月18日 | 短歌

仏壇にお線香をたきました

そうして外を見ると
夏の強い日差し

昔遊びに行った故郷の
古い家を思い出しました

そこには仏壇に捧げられたお線香の香りがしみこみ
ご先祖さまも一緒に
暮らしているかのような雰囲気がありました

いつも見守ってくれている人たちへの恩を
直ぐに忘れてしまいそうになる都会暮らし

ついつい一人で何でもやっている気分になりますが
反省をしなければですね


夏の波いつまで足を洗おうか 【季語:夏の波】

2023年07月15日 | 俳句:秋 地理

近くの海岸まで足を運びました
人出も以前よりも増えていて
僕も子供たちに交じって
サンダルを脱いで
波打ち際を歩きました

以前のようには水は冷たくはなくて
いつまでも足を水に入れたまま
立っていられそうです

僕は膝のあたりに
波が当たる深さまで歩いて行き
しばらくたったまま
波の変化や空の色合いを眺めていました

気分も良かったです


砂浜で 【詩】

2023年07月13日 | 
「砂浜で」

海の中では沢山の手が
 見えないところで繋がれ解かれる
  そのもつれあう手の隆起が波になる

離れる手 結ばれる手
 その凹凸に陽射しは流れ込んで
  海は表情を変えつづける絵のようだ

砂浜を歩く足を
 触りに来た手は暖かく
  押してくる力の思いがけぬ強さに
   よろめいてあなたにつかまった

それに驚くあなた
 よろけながらも僕をつかまえて
  今度は連れ去ろうとする手から
   守ってくれる

その踏みしめた証拠
 二人の足跡を
  消し去ろうと波がもう寄せて
   最後は白い泡で丁寧に消し去った
    
白い雲が空に広がっている
 海の先に見える半島
  その下の白壁の家の暮らし
    あなたと二人で
     海を見ながら過ごす
      穏やかな昼下がりを思う

つないだ手の先のあなたの帽子が
 突然の強い潮風に持ち上げられる
  あなたが驚いて帽子を押さえて
   それから笑顔にほどける

大切に思える
 あなたのことのすべて
  その仕草も話し方も笑い方も
   あなたといることの楽しさ
    そうしてきっと
     寂しさの心の軋みさえ

その時足元で砕けた
 波は高かった
  高鳴る鼓動を
   諫めるように
    その水しぶきは
     僕の顔を濡らした

それは暖かな
 頬を伝わる涙の跡にでも見えたのかしら
  あなたは不思議そうな顔をして
   海を背にして微笑んだ

なんでもないんだ
 ただ胸の高鳴りのように
  青空がどぎまぎとして
   その色を濃くしただけで

本当になんでもないんだ
 ただあなたが
  愛おしくて仕方がないだけで

ちっぽけな、自分だ、川のひとしずく けれど一滴、からなる大河 【短歌】

2023年07月11日 | 短歌

自分のことをちっぽけだなと
いつも思ってしまいます

大河の中のひとしずくのような
いてもいなくてもいいような
存在だなとも思うのですが

そんな一滴一滴が
川の流れを豊かにしているのだと考えて
手を抜かずに頑張ろうと自分を励ましたりしています


波際やおしめの水着の嬉しがり 【季語:水着】

2023年07月08日 | 俳句:夏 人事

砂浜を歩いていたら
小さな女の子が二人
波打ち際で遊んでいました

近くにはお母さんもいて
姉妹の様です

一人はまだ1歳を過ぎた位でしょうか
二人で大きな声をあげながらとても楽しそう

そのうち着ていた服が濡れたようで
おしめ一丁になった女の子
いつまでも波と戯れていました