風のささやき 俳句のblog

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雨後の虫待つや月影漏れるまで 【季語:虫】

2015年09月27日 | 俳句:秋 動物
家路へと向かう道を歩いていたら
にわか雨が降って来ました

さっきまでは空も晴れていたので
あまりにも突然のこと
僕は仕方なく店先の庇に逃げ込んだのですが

驚いたのは一生懸命に鳴いていた
虫たちも一緒のようです

一斉に声を潜めると
うんともすんとも言わなくなってしまいました

しばらく休んでいると雨も小降りになり
僕は店先を後にしたのですが

慎重になった虫たちは
雲の間から月の明かりが零れるまで
黙ったまま空の様子を窺っていました

いずこへと心さらうかいわし雲 【季語:いわし雲】

2015年09月20日 | 俳句:秋 天文
とある晴れた日
何気なく空を眺めたら
いつの間にか空の青さに
秋の気配が混じり込んでいました
そんな気配をいち早く察してでしょうか
空にはいわし雲が集まってきて
何処を目指すでもなく戯れていました

そんないわし雲を眺めながら
気持ちのいい風に触られていると
どこか心も自由になって
雲の流れにあわせて
遠くへ行きたいなと思っていました

台風のうわさ話でざわめく葉 【季語:台風】

2015年09月13日 | 俳句:秋 天文
台風が近づいている朝のことでした
空には重たげな黒い雲が漂いはじめて
どこかなま暖かな風が吹いていました予報ではこれから
強い風と雨が来るとのこと
そんな言葉を
信じさせるような空模様でした

木々の葉っぱも
そんな強い台風の到来を
予感しているのでしょうか
それぞれの枝で
台風のうわさ話をしているかのようで
どこか落ち着きなくざわめいていました

朝顔のドレス仕立や誰ぞ着る 【季語:朝顔】

2015年09月06日 | 俳句:秋 植物
いつもの道を歩いていると
大きな白い朝顔が
いくつもの清楚な花をつけていました

何か背の高い植木に
うずのように蔓を伸ばして
360度の方向に花をつけています

それは誰かに着せようと
丁寧に仕立てたドレスのようにも見え

そんな清楚なドレスは
一体誰にまとわせようとしているのか
気になっていた自分でした