風のささやき 俳句のblog

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菜の花に夕映え淡き野焼きかな 【季語:菜の花】

2017年03月25日 | 俳句:春 時候
暖かな春の夕暮れでした
一日の穏やかさを
そのままに映した夕日が
空にゆっくりと
沈んで行こうとするところでした

その優しい夕日は
線路脇の菜の花の小さな群れにも
忘れられることなく注がれて

夕日を受けた菜の花は
淡い炎に燃え上がっているようで
一日の些細な出来事を
燃やしている焚き火のようにも見えました

幼子が最初に気づく犬ふぐり 【季語:犬ふぐり】

2017年03月18日 | 俳句:春 時候
僕の先を走っていた子供が
急にしゃがんで何かを見ています

何だろうと思ったら
犬ふぐりの花に触って遊んでいます

僕が普通に歩いていたら
見逃してしまいそうな野の花も
小さな子供には身近な友達なのでしょう

いつまでも楽しそうに
花に触れている子供を
僕もいつまでも面白く思い見ていました

モメンタム君の言葉が失くす春 【季語:春】

2017年03月11日 | 俳句:春 時候
四月中旬並みの陽気と
天気予報が伝えていた
春の日のことでした

外を歩いていたのですが
確かに暖かく
いつものコートを着込んだ姿でいると
額にうっすらと汗が湧いてきそうです

その祭には
友人と一緒に歩いていたのですが
いつもはマシンガンのような勢いの
その友人の言葉も
この暖かさに
緩んでしまったように勢いを失くし

二人であまり会話もせずに
その陽気を楽しんだまま
歩いていました

枝先もこそばゆがって春立てり 【季語:春立てり】

2017年03月04日 | 俳句:春 時候
駅で電車を待っている時に
青い空を眺めていたのですが
その下の木々の枝先が
どこかこそばゆがっているように見えました

きっと小さな蕾に隠された若葉の
芽吹こうとする顫動に
枝がむずむずとしているのでしょう

もうじき萌黄の若葉で一杯の
風景が見れると思うと
とても楽しみに感じられます