風のささやき 俳句のblog

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まき散らす、言葉はどれだけ、ごみくずで どれだけ、吐けたか、煌めく言葉

2023年02月28日 | 短歌
自分の言葉には、いつも注意しているのですが
特に子供たちと話をしていると
言葉が荒くなります

皆、言うことを聞かずに
喧嘩ばかりしているので
それを諫めようとするのですが
その自分の声もついつい大きくなっています

すると子供たちの声も大きく、荒くなってと
ある意味悪循環です

自分が言葉を柔らかくすればいいのですが
まだまだ修養が足りないですね

自分の中で言葉を磨いて
話ができればなと思います

 ♯ 2021 春に

花粉症巣籠もり家人やなおくしゃみ 【季語:花粉症】

2023年02月25日 | 俳句:春 人事
天気の良い日が続いた週末でしたが
皆で家にこもって過ごしました

子供たちは学年末の
テスト前ということもあったのですが
何よりも外は花粉で一杯
外に出るにも思い切りが必要で
買い物以外は
うだうだと家にこもっていました

僕は薬を飲めば何とかなるので
薬を飲んでから買い物にも出かけたのですが
家に帰ってくると何処か
鼻もむずむずと感じられました

家の中で空気清浄器を使って
花粉を取っているのですが
時々は誰かのくしゃみが聞こえ
ますます外に出る気持ちが失せました

 # 2020 春に

都会 【詩】

2023年02月23日 | 
「都会」

顔がある
その向こうにも顔がある

 〇

昨日を過ぎて今日に来る
来てみたところで同じ
心を楽しませはしない
今日へ

 〇

灰色の街並みは
来る日も来る日も
変わり続ける
あわただしく
いらだたしげに

 〇

刺激物にしか
反応しなくなる
微生物のような心だ

 〇

今朝の新聞
死者五名

 〇

何事にも
無関心でいられる
心だ

 〇

逃げ去る場所がない
めまぐるしい感覚が
ふりかかる
ビルの谷間のベンチに
痛む頭を抱えて
うずくまる
彫刻を見るよう
誰も気にしない

 〇

どこからか紛れ込んだ
小さな蟻が
あわてふためいて
めくら滅法に
ホテルのロビーの
白い大理石を滑る
誰も気にしない
いつか踏まれそうで

 〇

あなたは逃げる
電話ボックスの棺桶

 〇

脳裏の奥から
ひどく寂しい風景を
ひきだしてきて
凍り付くような
憤りに震えている

 〇

夕暮れ
鉄筋コンクリートのビルに
ハサミを入れられたような夕日
風景が血を流しているようだ

 〇

誇りに汚れた側面は
夕日に照らされ
電車がホームに入ってくる
疲れた人々を吐き出して

 〇

夜の街は
まるで花火のようだ

 〇

街の明かりに
目をやられてしまい
都会の真ん中で一人
暗闇の中を歩いている

 〇

目にうるさい
仮装行列の集団
素顔の方が
もっと醜いのに

 〇

眺めてみるのが
こわいんだ

 〇

重く疲れた心を背負った
不機嫌な顔の列が
繋がれて歩く
囚われ人のように
都会の風景を
殺風景に通って行く

君眠り、額つけても、夢と夢 交じらぬ、入れず、熱もらうだけ

2023年02月21日 | 短歌
夜遅くまで本を読んでいました

隣には三男が眠っていたのですが
急に何かを言い始めたので
起きたのかなと思ったら寝言でした

どんな夢を見ているのでしょう
楽しい夢ならいいのですが
怖い夢ならば救いにでも行きたいところ
けれど夢の中には入れません
人は一人で、夢を過ごさなければいけずに
人と人との間には超えられないものがあることを感じます

子供がどんな夢を見ているのだろうかと
試しに額をつけてみたのですが
その夢を感じることもできず
温かさをもらっただけでした


 # 2021 冬に

黄梅や今年も愛でる主のなし 【季語:黄梅】

2023年02月18日 | 俳句:春 植物
ここ数年、廃墟になっている家の前を通りました
駅前の一等地なのですが
何故か、家はそのままになっていて
複雑な利権関係でもあるのでしょうか
勿体ないなと思います

主はもういないのですが
それでも律儀に
庭には今年も黄梅が咲いていました

コンクリートの塀よりも高い所
ちょうど僕の目線位に枝を出して
花をつけていたのですが
立ち止まって見ると
不審者に思われるのも嫌なので
首だけ振り返ってその花をチラ見しました

# 2020 春に

都会 【詩】

2023年02月16日 | 
「都会」

都会の
正体のない生活は
僕の魂を暗くする

 〇

まるっきり
見えなくなるまでに
心を覆い隠して
寂しい顔をした都会が
ケラケラと顔の上で
せせら笑っている

 〇

都会では時間が
ぎこちなく流れる
僕らを奇形の
化け物に変えてしまう

 〇

人々の間には
ガラスの壁がはられている

 〇

鏡に向かって
話しかけているようだ
人々といても

 〇

一方的に
がなり立てるテレビ
街中に
しみついた雑音
僕の耳にも
止まない騒音



知らない人々の間に
宙ぶらりんにされて
無表情な
視線を浴びている



悪い夢を
見ているんじゃないか
僕は

 〇

都会に住めば心色あせ
病を病と
感じなくなるまでに
やんでいる

 〇

心から離れた
空虚な言葉が
都会を覆って
薄暗い不信感を
幾層にも心に積んで行く

 〇

ほら
後ろから子供が
「お母さん、お母さん」と
あなたの手を求めて
呼んでいるじゃないか

えらぶれば、誰幸せに、しているか 指折り数え、へし折られたまえ 【短歌】

2023年02月14日 | 短歌
ときどき、自分が何かを
やり遂げたような感覚を覚え
思わず驕りそうになる時があります

それではその行為で
どれだけ人に役に立ったのかを考えると
途端に、まだまだ駄目だと反省させられます

具体的な人の顔を思い出しながら
その人を幸せにできたのかしらと考えると
指折り数えることもできません

いつまでも足りないところばかりなので
勤め励むことにも終わりはないですね

悲しくて、誰も分らぬ、それならば もっともらしく、君とも、苦い酒 【短歌】

2023年02月07日 | 短歌
心の内をお互いに理解するには
限界もあるようで

仲の良い人には分かって欲しい
分かってくれるだろうと期待するのですが
それが裏切られることもしばしあり

若い時にはそれで
孤独感を感じるような時もありました

けれど各々が、それぞれのことで一生懸命なので
分かり合えた瞬間があるだけでも
きっと幸せなことなのでしょうね

ものの見方を変えると
少し気分も楽になったりもします