風のささやき 俳句のblog

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詩や短歌も掲載しています

鴉さえ逃げることなし氷点下 【季語:氷点下】

2018年01月27日 | 俳句:冬 時候
その日は寒い朝でした
コートの隙間から冷たさが入り込んでくるので
思わず前かがみになってしまいます

歩いているとゴミ捨て場に
何やら黒いものが見えました
良く見ると一匹の鴉が
寒さに体をふくらませてじっとしています

僕が興味を持って鴉の方を眺めると
その鴉と目線が合いました

普段は一目散に逃げるはずの用心深いカラスも
逃げることもなく僕の視線を受けています

きっとあまりの寒さに
逃げることさえ億劫になってしまっているのでしょう

僕も普段だったらそんな鴉をからかいに行くのですが
その日はそんな気分にもならず
うつむいたまま先を急ぎました

赤き灯が滲み出すまで雪下し 【季語:雪下し】

2018年01月20日 | 俳句:冬 人事
微力ながら雪下しを手伝いました
初めての経験と言う事で
我ながら効率が悪かったのですが
気分だけは一生懸命でした

さらさらの雪なのですが
運んでいると思った以上に重く
寒いはずなのにじんわりと汗ばんで来ます

段々と調子が出てきて
もう暗くなるからととめられたのですが
雪かきを続けていると
遠くに赤い街灯が一つ点るのが見えました

また降り止まない雪に滲み
どこかぼやけた街灯

それを見ていたら寂しい気分を覚えて
家に入ろうと作業の手を止めました

雪は降る子らにこれから何を語らむ 【季語:雪】

2018年01月13日 | 俳句:冬 天文

子供たちの泣き声に起きて
オシメを取り替えたりミルクをあげたりと
世話をしていました

一人はお腹が一杯になると
スヤスヤと眠り始めたのですが
もう一人は薄明かりの中で
目を開いています

眠れないのかなと
僕はしばらく添い寝をしながら
たわいもないことを語りかけていました

外は静かに降っている雪
僕はこれからこの子たちに
何を話してあげられるのだろうと
そんな考えが胸をよぎりました

赤子泣く声も聞けずに風邪籠り 【季語:風邪籠り】

2018年01月06日 | 俳句:冬 人事

お腹の風邪をひいてしまい
外に出るのも億劫な状態で過ごしました

秋田にいる子供たちに
会いに出かける予定だったのですが
うつしてはまずいと
出かけることを断念しました

むかむかとする胃に苦しめられながら
布団で寝ていたのですが
子供たちのいない部屋は
あまりにも物静かに思えて

時としてイライラさせられる
その泣き声を聞きたいと思いました