「都会」
顔がある
その向こうにも顔がある
〇
昨日を過ぎて今日に来る
来てみたところで同じ
心を楽しませはしない
今日へ
〇
灰色の街並みは
来る日も来る日も
変わり続ける
あわただしく
いらだたしげに
〇
刺激物にしか
反応しなくなる
微生物のような心だ
〇
今朝の新聞
死者五名
〇
何事にも
無関心でいられる
心だ
〇
逃げ去る場所がない
めまぐるしい感覚が
ふりかかる
ビルの谷間のベンチに
痛む頭を抱えて
うずくまる
彫刻を見るよう
誰も気にしない
〇
どこからか紛れ込んだ
小さな蟻が
あわてふためいて
めくら滅法に
ホテルのロビーの
白い大理石を滑る
誰も気にしない
いつか踏まれそうで
〇
あなたは逃げる
電話ボックスの棺桶
〇
脳裏の奥から
ひどく寂しい風景を
ひきだしてきて
凍り付くような
憤りに震えている
〇
夕暮れ
鉄筋コンクリートのビルに
ハサミを入れられたような夕日
風景が血を流しているようだ
〇
誇りに汚れた側面は
夕日に照らされ
電車がホームに入ってくる
疲れた人々を吐き出して
〇
夜の街は
まるで花火のようだ
〇
街の明かりに
目をやられてしまい
都会の真ん中で一人
暗闇の中を歩いている
〇
目にうるさい
仮装行列の集団
素顔の方が
もっと醜いのに
〇
眺めてみるのが
こわいんだ
〇
重く疲れた心を背負った
不機嫌な顔の列が
繋がれて歩く
囚われ人のように
都会の風景を
殺風景に通って行く
顔がある
その向こうにも顔がある
〇
昨日を過ぎて今日に来る
来てみたところで同じ
心を楽しませはしない
今日へ
〇
灰色の街並みは
来る日も来る日も
変わり続ける
あわただしく
いらだたしげに
〇
刺激物にしか
反応しなくなる
微生物のような心だ
〇
今朝の新聞
死者五名
〇
何事にも
無関心でいられる
心だ
〇
逃げ去る場所がない
めまぐるしい感覚が
ふりかかる
ビルの谷間のベンチに
痛む頭を抱えて
うずくまる
彫刻を見るよう
誰も気にしない
〇
どこからか紛れ込んだ
小さな蟻が
あわてふためいて
めくら滅法に
ホテルのロビーの
白い大理石を滑る
誰も気にしない
いつか踏まれそうで
〇
あなたは逃げる
電話ボックスの棺桶
〇
脳裏の奥から
ひどく寂しい風景を
ひきだしてきて
凍り付くような
憤りに震えている
〇
夕暮れ
鉄筋コンクリートのビルに
ハサミを入れられたような夕日
風景が血を流しているようだ
〇
誇りに汚れた側面は
夕日に照らされ
電車がホームに入ってくる
疲れた人々を吐き出して
〇
夜の街は
まるで花火のようだ
〇
街の明かりに
目をやられてしまい
都会の真ん中で一人
暗闇の中を歩いている
〇
目にうるさい
仮装行列の集団
素顔の方が
もっと醜いのに
〇
眺めてみるのが
こわいんだ
〇
重く疲れた心を背負った
不機嫌な顔の列が
繋がれて歩く
囚われ人のように
都会の風景を
殺風景に通って行く