風が強いので海の眺めが良いだろうと海岸に出る。
セイルを立てて波乗りを試みる、元気な二人のウインドサーファーがいた。
沖に出てしまえば波は砕けないから、強風に乗って早く走るだけで面白くないらしい。
岸に向かって波の高くなったときに乗りこなす、乗ったぞという気分はそのときにこそ味わえるのだろう。
何度か試みるが、立ったまま岸にはたどり着かない。
ひっくり返って、体は海に残され、道具だけが岸に打ち上げられることもある。
こういうことを危ないからと禁じてしまえば、計算しかできない若者が増える。
そのうちに諦めたか、厭きたか、二人揃って沖に行ってしまった。
沖は休息の場所であるのに、そこがまた危ないだろうと気遣うのは禁止眼。