足跡、そくせきと読めば、残したものになり、あしあとと読めば、残ったもの、ついたものとなる。
残そうという意識の強かったものと、残す気がないのに残ってしまったものの違いである。
砂浜にあしあとが続いている。
人間のものではもちろんない。
つき方が複雑だから4脚の動物のもの、大きさからいって馬のあしあとである。
このあたりに牛も豚も見かけないが、馬は歩いている。
昭和初期の道には、あしあとだけでなく、饅頭大のものがところどころに積み上がっていた。
近ごろの馬は行儀がよくなったのか、それを見かけない。
それにしても、この不規則な足の運び、どう歩いたのか想像しにくい。
背にいる人の気持ちが歩調にあらわれてこうなるのだろうか。
足元のおぼつかないのは、馬のせいではなさそうである。