・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

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学力試験とは

2013年01月27日 | つぶやきの壺焼

過日、大学共通第1次学力試験、略称共通一次が終わって、問題が新聞に出た。
今どんな問題が出されているのだろうかと、国語の第一問を見る。
次の文章を読んで後の問いに答えよという問題文の字数が、第1問で約7900字、問題文の後についている箇条書きの注を除いてもこれほどの長文である。

言っては悪いが、あの中身が濃すぎて読みにくい小林秀雄の著作から取り出してきた問題文、それも通常一読して概要をつかめる1000文字文の、およそ8倍の量である。

我慢して読み進み、問題1にたどり着く。
第1問は、問題文中に引かれた傍線の部分にある言葉の漢字がどういう文字であるか、カナ書きにすると同じになる5個の熟語から、あてはまる漢字のものを選び出せ、という問題である。
これが5問組み合わさって第1問になっている。
8000文字の長文をまったく読まなくても正解が得られそうな問いが4問、1問だけは問題文の該当箇所2~3行を読んで確かめればよい程度の、TVのクイズ番組に似たような出題である。

8000文字に辟易しながら問題にたどり着いたとたんにがっかりする仕組みになっている。

第2問は、文中の30文字弱の部分が、どういうことを言い表しているのか、5個の文の中から最適な説明を選び出せという問題である。
ここにきてようやく、長文のうちの一部分にかかわりが出てくる。

テストに慣れた人、あるいは要領を飲み込んでいる人は、「次の文章を読んで」という書き出しの言葉には目を向けずに、はじめから問1と番号のついたところに飛んでいってさっさと片付けてしまうのかもしれない。

第1問でがっかりしたのでその後は読む気力も失せたが、国語の試験といっても、これは難文を読み進む忍耐力と、回答要領を心得た素早さのテストではないかという気がしている。
不合格への慰め言葉である「試験は水もの」とは、まったく嫌な言葉である。

コメント
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