ミクロの世界という言葉は、もう古めかしくなった。
新しい技術は細さに向かっている。
太さとは言い難い、細さには、幅を利かすという言葉も当てはまらなくなったが、ナンといえばよいのだろうか。
これから当分はナノの時代、今後10年間で最も急成長を遂げるのは、ナノファイバーを用いた材料の市場で、成長率は30%を超えると予想されている。
ナノファイバーの、細くて強いその特性、機械的強度、反応性、電気的および光学的品質、層の透過性を利用して、エネルギー変換・貯蔵、液体・気体のろ過、食品包装、健康、環境保全などいろいろな使い道がある。
直径数十~数百ナノメートルの繊維と言っても、目に見えないような細さだから、人間が直感ではつかみきれない。
1グラムほどのナノファイバーをのばすと、地球の赤道を一回りするほどの長さになるという気の遠くなるような細さだと言われても、とにかく細いぐらいの見当しかつかない。
東レが、世界で最も細い直径150nm のナノファイバを開発したと2013年1月29日に発表した。
nm と書いたのでは mm と見間違いそう、ナノメートル、細い細いミクロンμm のまた1000分の1、10億分の1メートルである。
これまで最も細かったのは直径300nm といわれるから、半分の細さになった。
こういうところに出された数字は、話半分ではないだろう。