一人の人間が持てる知識には限りがあります。
持つことのできた知識にも、役に立たずに終わる時期、あるいは役に立たなくなる時期がやって来ます。
いま、煙管でたばこを吸う人は、舞台の上でしか見ることができません。
刻みたばこと煙管が、一緒に陳腐化したからです。
たばこのすべても、すでに陳腐化しかけています。
モノが陳腐化してい行くように、人間の知識も意識も陳腐化していきます。
知識が陳腐化すると理解力が衰え、意識が陳腐化すれば判断力と実行力が減退します。
いま、N町やK関の方々が日々生産しているのは、意識の陳腐化という奇妙な食べもののようにみえます。
その食べものは、毎日飽きずにそれを食べていると、脳で消化されますが、消化しきれない残滓が脳の随所にこびりつきます。
そういう人が所属する組織にも頭脳があって、そこに意識の陳腐化が浸透していきます。
こうして肝心な時に適切な決断のできない脆弱な組織ができ、それを中枢に置く日本は国力を甚だしく衰退させながら不幸な歴史を作っていくことになります。
こんな悪夢は早く覚まさなければなりません。