「毅然とした態度で臨む」どうすると問われたときによく聞かれる応答表現。
相手に見せる態度は、そう見えなければ用をなさない。
へらへらニヤニヤ笑いながらの毅然とした態度などありえない。
笑みをもらしながら毅然とした態度を見せるには、何度も修羅場を踏んだ経験と滲み出る度量の裏付けが必要なのだ。
ゼニ勘定の場でのやりとりがうまくできるからといって、それがそのまま外交の場に効き目を表すことはまずない。
本心から毅然としているかどうか、それは体全体に現れるもので、口先だけでどうにかなるものではない。
あとから、あのほほえみはこういうつもりでしたなどと説明したところで、何の効き目もない。
外交は、撮りなおしの効く映画劇ではなく、また明日はないのだ。