最近TVでK社の週刊世界遺産のCMをときどき見かける。
ペルーのマチュ・ピチュの写真が創刊号の表紙に載っている。
面白い名前の山だ。
マチュは、マウンテン、モンの系統、ピチュはピークで、突き出た山のことかと思ったが、この想像は見事に外れ、山を意味するのはピチュのほうだった。
では、マチュとは何か。
Wikipedia を見ると、「マチュ・ピチュ」(Machu Picchu) は「老いた峰」を意味すると書かれている。
写真で見るあの山の姿から、マチュはマッチョではないかと想像していたのに、「老いた」と知ってこれはがっかり。
スペイン語かと思って machu と picchu を西→日翻訳にかけてみたが、そのことばは二つともない。
もう一度 Wikipedia をよく見ると、これはケチュア語だった。
意味のほうにすぐ目が行って、どこの言葉なのかをよく見てなかった。
一般の翻訳サイトにケチュア語は載っていないが、あきらめずに探すと、あった。
理研の笠原和起(たかおき)博士によるスペイン語・ケチュア語・アイマラ語の辞書がある。
http://www.kaorin.net/jesqa/
そこで machu は老人, (男), おじいさんとわかり、念のため picchu を探したが載っていない。
伺ってみると picchu はやはり「頂点、いただき」だった。
驚きはまだ続く。
マチュ・ピチュ(老いた峰)の隣には、ワイナ・ピチュ(若い頂)という山があって、その山は頂上が急峻、マチュ・ピチュは山が丸いからこそ街を築けたとのことだった。
ことばも所作も、住み慣れたところ、使い慣れたものから自分勝手に意味をつかむと、まるきり反対ということもあるのだった。