うまそうな色ではあるが、人が食しても美味くは無い実である。
象のすむ大陸には、象の胃の中で数日もまれない限り、発芽できない実もあると聞く。
究極の戦略ではあるが、象がいなくなれば運命の行方は定まっている。
この実はどのような戦略を取っているのであろうか?
人間に食われることで、遺伝子を次世代につなごうとはしていないことは、確かだろう。
美味くないのだから。
そういえば、美味い美味くないは、その食物を分解できる酵素が体内にあるかないかの違いかもしれないなぁ。などと思う。
私の体内には、もしかしたら異常に酒を分解する酵素が余っているのかもしれない。
食の安全が四の五の言われる当世において、美味い美味くないは、案外大事な感覚かもしれない。
何でも食ってみた子供の頃とは違い、昨今は何でも食うとえらいことになってもきている。
しかし、はじめて河豚の肝を食った人は、偉大だと思う。
そうとうの馬鹿でない限り、偉大としか言いようは無い。
美味いが危険。
聞くと見るならぬ、見ると食うでは大違いの事も多い。
なにかを誘っているのは確かなのだが。