間というものは大事だ。
植林事業での間伐(かんばつ)は、人工林の安定と健康な生育には欠かせない、間を確保する作業である。
枝打ち間伐の作業を怠った植林は、栄養不足によるひ弱な木をつくりやがては土壌の崩壊を招くようになる。
不健全な密集から間引かれるものがなければ、健全な大木は産まれない。
都度都度に間引かれる間伐材は、植林山の輪廻を健全に全うさせる為、ロケットでいえば、段階的燃料ブースターの切り離し作業でもある。
間伐材利用の推奨が、エコ活動である由縁も、流通を促すことで、植林を手入れする原資を確保し、健全な森林による二酸化炭素の吸収量を増やすからであり、一石何丁にもなるサイクルを生むからである。
だからといってむやみに間伐してもいけない。それは、間違いという。
間引いてはいけないとこを間引いては、間抜けと呼ばれる。
効用を生むには上手な間のとりかたの習練も大事だろう。
きが利きすぎて間が抜ける。ということもある。
思考の間、話の間、行動の間、関係の間、時間の間。うまく間を作ることで健全性を取り戻した経験は誰にでもあるのではないだろうか。