すすきの穂は軽い。軽いということは、重くないと言うことだが、風に吹かれて飛ぶ軽さは、軽やかであり、きれいでさえある。
ただ、風に飛ばされないと役に立たない。
軽くなくてはいけないのに重いと用をなさない。
文鎮は重い。重いということは、軽くないということだが、風に吹かれても紙を飛ばさない重さであり、たのもしくさえある。
ただ、風に飛ばされると役に立たない。
重さが軽いのだ。
軽い重いとは、その用途と機能と期待される責任の所在によって、その重さや軽さが求められる。
重すぎる文鎮は、使い勝手が悪く鬱陶しくさえある。
軽すぎるすすきの穂は、実にならないし、信用できない。
自分のなんたるかと、その軽重を理解しないものは、その世界での活動を制限されるだろう。
犬のようにお座りや「待て」を指図されなければならなくなるのだ。
そのウェイトでは、ウェイト。である。