南無煩悩大菩薩

今日是好日也

数奇屋。

2010-03-09 | 壹弍の賛詩悟録句樂帳。


数奇屋(すきや)と名づけられた白い椿が咲いている。





紅侘助(わびすけ)と名づけられた赤い椿が咲いている。



数奇屋は、茶室のことをあらわす。

原義は「好き家」だという。

それはまた、「空き家」でもあるという。

侘助は、文字通り侘びの好きだという。


贅でなく飾でなく饗でなく、素にして富、寂にして応。

簡素純潔を重んじる茶人に愛された花々だ。


岡倉天心さんの言うところによれば、茶道は道教と通づる処多々だという。

つまりそれは、
「浮世をかかるものとあきらめて、この憂き世の中にも美を見出そうと努める」

ことであり、
「精進思慮することによって、自性了解(じしょうりょうげ)の極致に達しようとする」

ところにあるという。


ひとはそれぞれにそれぞれが、数奇な運命を辿る者だと思う。


椿はポロリと首が落ちるからと、歓迎されない向きもある。

しかし、あえてその生態に潔さを見出せる花でもある。


じっとみていると、わたしもおもう、此花、好きや。

コメント
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